答弁本文情報
令和二年六月二十六日受領答弁第二五五号
内閣衆質二〇一第二五五号
令和二年六月二十六日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員山崎誠君提出家畜伝染病予防法施行規則に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山崎誠君提出家畜伝染病予防法施行規則に関する質問に対する答弁書
一について
政府としては、農場における家畜の飼養規模の大小にかかわらず、その伝染性疾病が発生するリスクは存在するものと考えており、豚の伝染性疾病の発生の予防のため、家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)第十二条の三第一項に規定する飼養衛生管理基準(以下単に「飼養衛生管理基準」という。)に定めるところにより、豚の飼養に係る衛生管理を行うことは、全ての豚の所有者が遵守すべきものであると考えている。
二の1について
御指摘の「放牧禁止の方針」の意味するところが必ずしも明らかではないが、現在検討している家畜伝染病予防法施行規則(昭和二十六年農林省令第三十五号)に定める豚及びいのししについての飼養衛生管理基準の改正案(以下「改正案」という。)では、「野生動物が豚熱等の家畜伝染病の病原体に感染したことが確認されているなど家畜伝染病の発生リスクが高まっているものとして農林水産大臣が指定する地域」(以下「大臣指定地域」という。)においては、「放牧場について給餌場所における防鳥ネットの設置及び家畜を収容できる避難用の設備の確保を行うこと」を定めることを検討しているところであり、放牧によって豚を飼養する当該豚の所有者に対して、放牧の禁止を求めることは想定していない。
二の2について
御指摘の「そのストレスにより、多くの疾病を発現・誘発・伝染させる危険性がある」の具体的に意味するところが明らかではないことから、お尋ねの「その対策」についてお答えすることは困難である。なお、政府としては、二の1についてでお答えしたように、改正案において放牧の禁止を求めることは想定しておらず、放牧によって豚を飼養する当該豚の所有者に対して、御指摘のように「放牧していた集団を、急遽、畜舎での施設飼養へ移行させること」を求めることは考えていない。
二の3について
御指摘の「放牧禁止」及び「同様の効果がある」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「制限給餌やえさ場の防疫体制の徹底といった対策」は、家畜の伝染性疾病の野生動物等から家畜への伝染を防止する上で有効な方法の一つであると考えている。なお、政府としては、二の1についてでお答えしたように、改正案において放牧の禁止を求めることは想定していない。
二の4について
お尋ねの「簡易な畜舎」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、改正案では、大臣指定地域においては、「家畜を収容できる避難用の設備の確保を行うこと」を定めることを検討しているところ、当該避難用の設備の具体的な運用方針については、現在検討を行っているところである。
二の5について
二の1についてでお答えしたように、政府としては、放牧の禁止を求めることは想定していないところであり、御指摘のように「放牧を事業の中核として営んでいる事業者が廃業の危機に陥る」とは認識していないため、お尋ねのような議論を行うことは考えていない。