答弁本文情報
令和二年六月二十六日受領答弁第二六七号
内閣衆質二〇一第二六七号
令和二年六月二十六日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員丸山穂高君提出「接触確認アプリ」の導入及び運用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員丸山穂高君提出「接触確認アプリ」の導入及び運用に関する質問に対する答弁書
一について
令和二年六月十九日から運用を開始した「新型コロナウイルス接触確認アプリ」(以下「アプリ」という。)を「いつまでに人口の何割程度まで普及させることを想定しているのか」とのお尋ねについては、現時点で、政府として具体的な目標値は設定していないが、アプリが新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に寄与すること等について国民の理解を得つつ、例えば、催物の開催時に当該催物の主催者にアプリの活用について周知すること等により普及を図っていくこととしている。
二について
お尋ねの「運用の全体像」の意味するところが必ずしも明らかではないが、アプリの運用については、新型コロナウイルス感染症の陽性者(以下「陽性者」という。)が、処理番号(厚生労働省が所管する新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システムから当該陽性者に対して発行された番号をいう。以下同じ。)を用いて、アプリへの陽性者である旨の登録を行い、アプリの利用者が陽性者と接触した可能性がある場合に、当該アプリの利用者に対して陽性者との接触の可能性について通知が行われ、当該通知を受けたアプリの利用者に対しては、アプリを通じて、当該アプリの利用者の発熱等の症状の有無や過去二週間以内に身近に接した者に陽性者等がいるかどうかの心当たりの有無に応じて、帰国者・接触者外来等の受診の案内や体調の変化に留意することの案内が行われることとなる。
三について
お尋ねについては、厚生労働省のホームページに掲載している資料「新型コロナウイルス接触確認アプリについて」において「接触確認アプリは互いに分からない形で接触した可能性について通知を受けることができる仕組み」であることを示すなど、アプリの利用者が通知を受ける内容は、陽性者と接触した可能性であることを周知しているところである。
四について
お尋ねの「虚偽申告」の意味するところが必ずしも明らかではないが、アプリへの陽性者である旨の登録については、陽性者の同意に基づき、陽性者自身が行うところ、陽性者でない者が陽性者である旨の登録をすることを避けるため、陽性者は、登録に当たり、当該陽性者に対して発行された処理番号を用いることとしており、また、アプリの利用に際し、陽性者自身が、アプリを利用する端末で、当該陽性者に対して発行された処理番号を入力すること等を内容とする「接触確認アプリケーションプライバシーポリシー」に同意することとしているところである。
また、犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難である。
五について
お尋ねの「検査や感染者増加への対応を含めて「接触確認アプリ」の運用に必要な人員」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、政府としては、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和二年三月二十八日新型コロナウイルス感染症対策本部決定、令和二年五月二十五日変更)において「感染が拡大する場合に備え、医療提供体制の維持に向けて万全の準備を進めるほか、検査機能の強化、保健所の体制強化・・・等に取り組む」としていること等を踏まえた取組を行っているところである。
また、お尋ねの「「接触確認アプリ」の開発及び運用に必要となる政府の費用の額」の意味するところが必ずしも明らかではないが、アプリについては、運用開始後も引き続き、デザイン、機能等の修正を行うこととしているところ、現時点では、令和二年七月までの間における開発、運用、保守等に係る経費は、九千四百六十万円である。また、当該経費は、令和二年度一般会計補正予算(第一号)に計上している(組織)厚生労働本省(項)感染症対策費(事項)感染症予防事業等に必要な経費(目)健康対策関係業務庁費から支出することとしている。
六について
お尋ねの「「接触確認アプリ」を我が国独自に開発する方向性」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、令和二年五月二十六日に内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策テックチームが策定した「接触確認アプリ及び関連システム仕様書」に記載しているとおり、Apple Inc.及びGoogle LLCが提供するアプリケーションプログラミングインタフェース(以下「API」という。)を活用することとしたのは、アプリの利用者のプライバシーを保護するための厳格な対応が講じられていること、多数の者が効率的にサービスを利用できること及び両社から共通仕様で提供されるAPIを利用することにより効率的な開発が可能になることによるものである。
七について
お尋ねの「小規模なシステム改修で使用可能な仕様」の意味するところが必ずしも明らかではないが、現時点では、新型コロナウイルス感染症以外の感染症対策にアプリを使用することについては、想定していない。