答弁本文情報
令和二年六月二十六日受領答弁第二七一号
内閣衆質二〇一第二七一号
令和二年六月二十六日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員辻元清美君提出刑事訴訟法第二百三十九条第二項「公務員の告発義務」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員辻元清美君提出刑事訴訟法第二百三十九条第二項「公務員の告発義務」に関する質問に対する答弁書
一の1について
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百三十九条第二項は、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と定めているので、右の要件を満たす場合には、原則として公務員には告発義務が課せられていると解される。
一の2について
御指摘の答弁は、平成十七年二月二十三日の衆議院内閣委員会において、須田総務省自治行政局公務員部長(当時)が「地方公務員の懲戒処分についてのお尋ねでございますが、・・・一般論として申し上げさせていただきますと、正当な理由なく刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定に違反した場合には、懲戒処分の対象となり得るものと考えております」と述べた答弁を指すものと思われるが、一般論として、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の適用を受ける国家公務員が、正当な理由なく刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定に違反した場合において、国家公務員法第八十二条第一項各号のいずれかに該当するときは、同項に規定する懲戒処分の対象となり得るものと解される。
一の3及び4について
法務事務次官、法務省大臣官房長、同省大臣官房秘書課長、同省大臣官房人事課長、同省刑事局長及び同省刑事局総務課長の職にある者は、刑事訴訟法第二百三十九条第二項に規定する「官吏又は公吏」に該当すると考えており、同項の要件を満たす場合には、原則としてこれらの者には告発義務が課せられるものと解される。
検事総長は、捜査機関であることから、当該「官吏又は公吏」に含まれないと考えている。
一の5について
お尋ねについては、一の2についてでお答えしたとおり、一般論として、国家公務員法の適用を受ける国家公務員が、正当な理由なく刑事訴訟法第二百三十九条第二項の規定に違反した場合において、国家公務員法第八十二条第一項各号のいずれかに該当するときは、同項に規定する懲戒処分の対象となり得るものと解される。
二の1及び2について
個別具体的な事案における告発の有無及び告発義務の有無を明らかにすることは、捜査機関の活動内容に関わる事柄であることから、お尋ねについてはお答えを差し控えたい。
二の3について
お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたい。