答弁本文情報
令和二年十月二日受領答弁第二六号
内閣衆質二〇二第二六号
令和二年十月二日
内閣総理大臣 菅 義偉
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員阿部知子君提出JR東海による水収支解析等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部知子君提出JR東海による水収支解析等に関する質問に対する答弁書
一及び二について
リニア中央新幹線静岡工区有識者会議については、静岡県と東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)との議論が必ずしもかみ合っていない状況が見受けられたことから、リニア中央新幹線の早期実現及びその建設工事に伴う水資源や南アルプスの自然環境への影響の回避・軽減を同時に進めていくため、科学的・工学的な議論を行うべく立ち上げた会議である。
三について
政府としては、令和二年一月三十日に静岡県から要望された御指摘の「五事項」は、いずれも確保しているものと考えている。
四及び五について
環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)は、土地の形状の変更、工作物の新設等の事業を行う事業者が、事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮するための手続を行うことを求めており、お尋ねの「中央新幹線(東京都・名古屋市間)」についても、事業者であるJR東海において、同法に基づき適正な手続が行われたものと考えている。
六について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、リニア中央新幹線静岡工区有識者会議には、水循環や地下水、トンネル工学等の分野について高い専門性や深い造詣を持っている専門家が参加しており、政府としては、科学的・工学的な議論がなされているものと考えている。
七の1について
御指摘の「社会情勢や経済状況の変化の観点」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「スーパー・メガリージョン構想」は、スーパー・メガリージョンの形成による効果を全国に拡大させ、新たな成長を目指す構想であり、テレワークの普及等によってもその意義が失われるものではないため、当該構想の見直しを行うことは考えていない。
また、リニア中央新幹線の整備により、日本の大動脈輸送の二重化を実現し、代替性の高い鉄道網の構築を進めることの必要性は、テレワークの普及等によっても失われるものではないため、国土強靱化年次計画二○二○の見直しを行うことは考えていない。
七の2について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、JR東海から、リニア中央新幹線の建設について現行の完成・開業時期を延期する旨の報告は、現時点においては受けていない。
八について
政府としては、工事に伴って発生した問題については、リニア中央新幹線の建設主体であるJR東海が適切に対処すべきものと考えており、JR東海からこれらの問題について国土交通省が逐一報告を受ける仕組みを有しておらず、これらの問題について網羅的に把握していないため、お尋ねにお答えすることは困難である。