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答弁本文情報

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令和二年十二月四日受領
答弁第二一号

  内閣衆質二〇三第二一号
  令和二年十二月四日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員笠井亮君外一名提出東京外かく環状道路(関越〜東名間)の地下掘進工事地での陥没事故等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員笠井亮君外一名提出東京外かく環状道路(関越〜東名間)の地下掘進工事地での陥没事故等に関する質問に対する答弁書


一について

 現在、東日本高速道路株式会社において、「東京外環トンネル施工等検討委員会 有識者委員会」(以下「有識者委員会」という。)の御意見を頂きながら、令和二年十月十八日に東京都調布市において発生した地表面の陥没(以下「陥没事象」という。)及び陥没事象発生箇所周辺の地盤調査で同年十一月三日と同月二十一日に確認された地中の空洞(以下「陥没事象等」という。)の原因並びに陥没事象等と東京外かく環状道路のうち同都練馬区から同都世田谷区までの区間(以下「東京外環(関越〜東名)」という。)の工事(以下「工事」という。)との因果関係の究明が進められているところと承知している。
 政府としても、国土交通省において、住民の方々の不安をできる限り早く取り除くことができるよう、同社による調査及び陥没事象等の原因究明に協力するとともに、住民の方々に対する説明についても、適切に行ってまいる所存である。

二について

 陥没事象等については、「東京外環トンネル施工等検討委員会」(以下「検討委員会」という。)の有識者である委員のみで構成する有識者委員会を設置し、その後新たに地質の専門家として二名の有識者を委員に追加し、公正中立な立場から審議が進められているところである。
 また、有識者委員会における審議の内容を広く一般に周知することを目的に、有識者委員会の規約に基づき、議事要旨及び配付資料を原則として公開しているところである。
 現在、東日本高速道路株式会社において、陥没事象等の原因及び陥没事象等と工事との因果関係の究明が進められており、それらの究明のために必要なデータについて、まずは、有識者委員会において確認を進めていただく考えであるが、当該データはしかるべき時期に原則として公開されるものと承知している。

三について

 第二十二回の検討委員会及び第一回の有識者委員会では、東日本高速道路株式会社からは、陥没事象の発生を契機に確認した範囲において、掘進中のトンネル坑内の圧力や掘削土量を含む各計測値に異常値はなく、添加材・圧力・搬送設備等の調整が行われ、施工管理は計画どおりに適切に行われていたことが報告された一方、有識者からは、陥没事象と工事との因果関係を究明するためには、より詳細に各計測値等を確認する必要があると指摘されたところである。
 現在、同社において、その後の第二回及び第三回の有識者委員会における議論も踏まえ、より詳細に各計測値等を確認して陥没事象等の原因及び陥没事象等と工事との因果関係の究明が進められており、それらの究明のために必要なデータについて、まずは、有識者委員会において確認を進めていただく考えであるが、当該データはしかるべき時期に原則として公開されるものと承知している。

四について

 御指摘の「説明会」は、令和二年十月二十三日に開催された第二回の有識者委員会において、「調布市地表面陥没に関する調査方針」が確認されたことを踏まえ、陥没事象発生箇所の周辺住民の方々を対象に速やかに開催したものである。
 現在、陥没事象等については、有識者委員会の御意見を頂きながら、東日本高速道路株式会社において陥没事象等の原因及び陥没事象等と工事との因果関係の究明が進められているところと承知しており、その状況を踏まえた上で、今後の説明会の開催時期や対象者について検討してまいる所存である。

五について

 現在、有識者委員会の御意見を頂きながら、東日本高速道路株式会社において、陥没事象等の原因及び陥没事象等と工事との因果関係の究明が進められており、その状況も踏まえ、必要な調査が実施されているところであるが、これまでの掘進区間における調査については、令和二年十一月十八日に、東京都調布市内において、路面空洞調査が開始されたところであると承知している。
 路面空洞調査では安全の確認のためには不十分ではないかとの御指摘については、同月二十一日に地中の空洞が確認されたことを受け、同社において、これまでの掘進区間も含め、今後、有識者委員会の御意見を頂きながら追加的な調査が必要に応じて実施される予定であると承知しており、住民の方々への説明については、陥没事象等の原因及び陥没事象等と工事との因果関係の究明の状況も踏まえて、適切に行ってまいる所存である。

六について

 陥没事象等については、国土交通省、東日本高速道路株式会社及び中日本高速道路株式会社において取りまとめた「東京外かく環状道路(関越〜東名)トンネル工事の安全・安心確保の取組み」を参考とし、事前に構築していた連絡体制に基づき、東日本高速道路株式会社において、速やかに住民の方々への周知が行われるとともに、警察、消防、関係自治体及びその他の関係機関へも速やかに連絡が行われたと承知しており、適切な対応がなされたと認識している。

七について

 「東京外かく環状道路(関越〜東名)トンネル工事の安全・安心確保の取組み」においては、トンネル内に掘削土以外の土砂等が大量流入する時を「緊急時」としており、工事においては、「東京外かく環状道路(関越〜東名)トンネル工事の安全・安心確保の取組み」における「緊急時」に該当する事象は発生していないが、陥没事象等については、六についてで述べたとおり、発生した事象に応じた適切な対応がなされたと認識している。

八について

 陥没事象等については、現在、有識者委員会の御意見を頂きながら、東日本高速道路株式会社において陥没事象等の原因及び陥没事象等と工事との因果関係の究明が進められているところと承知しており、その結果を踏まえた上で、必要な措置を講じてまいる所存である。
 他方、御指摘の「大深度地下の使用」については、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(平成十二年法律第八十七号)第二条第一項に規定する大深度地下(以下「大深度地下」という。)は、通常、土地所有者等による利用に供されることはないことから、同法は大深度地下を同法第四条各号に掲げる事業の用に供するため同法第二十五条の規定に基づく使用権の設定を認めているものであって、同条の規定が「憲法第二十九条に違反する」との御指摘は当たらず、「大深度地下の使用については取り止めるべき」とは考えていない。

九について

 陥没事象等については、現在、有識者委員会の御意見を頂きながら、東日本高速道路株式会社において陥没事象等の原因及び陥没事象等と工事との因果関係の究明が進められているところと承知しており、お尋ねにお答えすることは困難である。
 いずれにせよ、東京外環(関越〜東名)については、首都圏の都心方向に集中する交通を適切に分散し、首都圏の慢性的な渋滞の緩和等に資するとともに、物流効率化や生産性向上等の効果が見込まれる事業であり、その実施に当たっては、今後とも、厳格な事業評価を行ってまいる所存である。

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