答弁本文情報
令和二年十二月四日受領答弁第二四号
内閣衆質二〇三第二四号
令和二年十二月四日
内閣総理大臣 菅 義偉
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員丸山穂高君提出二〇五〇年カーボンニュートラルに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員丸山穂高君提出二〇五〇年カーボンニュートラルに関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「二〇五〇年度のエネルギー需要」という長期展望については、技術革新等の可能性と不確実性、情勢変化の不透明性が伴うものであり、二千三十年度のエネルギー需要の見込みのような蓋然性をもった予測が困難である。
二の1について
お尋ねの「グリーン投資をサポートする税制」も含め、税制改正については、毎年、政府及び与党において、税制調査会における審議等所要の検討を行った上で、最終的には、国会審議を経て決定されているところであり、お答えすることは困難である。
二の2について
炭素税を含むカーボンプライシングについては、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(令和元年六月十一日閣議決定)において、「国際的な動向や我が国の事情、産業の国際競争力への影響等を踏まえた専門的・技術的な議論が必要」とされており、現在、環境省において、中央環境審議会地球環境部会にカーボンプライシングの活用に関する小委員会を設置し、同小委員会において御議論いただいているところであり、現時点ではお尋ねにお答えすることは困難である。
三の1、3及び4並びに四について
御指摘の「二〇五〇年カーボンニュートラル」の実現に向けた具体的な方策の在り方について、現在検討中であり、現時点ではお尋ねにお答えすることは困難である。
三の2について
住宅及び建築物の断熱性能基準については、各国の気候状況等により異なるため、我が国の基準と他国の基準を単純に比較することが適切であるとは考えていない。なお、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号)に基づく建材トップランナー制度では、断熱材、サッシ及びガラスの断熱性能に関する高い目標を設定し、これらの建材の製造、加工又は輸入の事業を行う者に対して、目標年度までに、より高性能な建材の出荷割合を増加させることを促している。
また、「現在の建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律に基づく省エネ基準のままで二○五○年カーボンニュートラルを達成できるのか」とのお尋ねについては、「二○五○年カーボンニュートラル」の実現に向けた具体的な方策の在り方について、現在検討中であり、現時点ではお答えすることは困難である。
三の5について
御指摘の「令和七年度の目標」については、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第四号)により、小規模な住宅の設計を行う際に、建築士が建築主に対して、建築物エネルギー消費性能基準(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成二十七年法律第五十三号)第二条第三号に規定する建築物エネルギー消費性能基準をいう。以下同じ。)への適合性等について説明することを義務付ける制度が創設され、令和三年四月一日から施行されるところ、こうした制度の適切な運用を図ることにより、おおむね当該目標を達成できるものと見込んでいる。
三の6について
「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」においては、「新築の住宅・建築物について、二千三十年度までに平均でエネルギー消費量が正味でおおむねゼロ以下となる住宅・建築物(ZEH・ZEB)を実現することを目指すことを既に決定している」ところであり、現時点では二千三十年度の目標が実現するかをお答えすることは困難であるが、目標達成に向けて取り組んでまいりたい。
三の7について
お尋ねの「費用最適水準」の具体的な内容については承知していないところであるが、建築物エネルギー消費性能基準において、御指摘のような考え方は取り入れておらず、このような考え方を参考とした建築物エネルギー消費性能基準の見直しについては、建築物の使用段階において消費するエネルギーのコストの変動等を踏まえる必要があることから、慎重な検討が必要であると考えている。