答弁本文情報
令和三年十二月二十八日受領答弁第二八号
内閣衆質二〇七第二八号
令和三年十二月二十八日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員城井崇君提出北九州市における洋上風力発電産業の総合拠点化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員城井崇君提出北九州市における洋上風力発電産業の総合拠点化に関する質問に対する答弁書
一について
我が国における魅力的な洋上風力市場の創出のために、現行のエネルギー基本計画(令和三年十月二十二日閣議決定。以下「基本計画」という。)において、「政府として年間百万キロワット程度の区域指定を十年継続し、二千三十年までに一千万キロワット、二千四十年までに浮体式も含む三千万キロワット〜四千五百万キロワットの案件を形成することを目指す。この目標の実現には、再エネ海域利用法に基づき、着実に案件形成を進めていくことが不可欠である。」としており、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(平成三十年法律第八十九号)を適切に運用し、御指摘の「西日本地域」を含め、同法第八条第一項の規定による海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域(以下「促進区域」という。)の指定を着実に進めてまいりたい。
二について
政府としては、「洋上風力産業ビジョン(第一次)」(令和二年十二月十五日洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会策定)を踏まえ、引き続き関連産業の競争力の強化に向けた取組を進めてまいりたい。
三について
政府としては、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条の四第一項の規定に基づき海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾に北九州港を指定することで同項に規定する海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する行政財産を貸し付けることができるようにするとともに、同港の港湾施設の整備に係る予算措置を講じているところである。引き続き必要な措置を検討してまいりたい。
四について
北九州港の港湾管理者である北九州市が、同港を洋上風力発電施設の建設や調査を行うための作業船の係留基地とするため、同港に係る港湾法第三条の三第一項に規定する港湾計画を変更するに当たって、政府として、変更内容の検討に係る技術的な支援を実施してきたところである。
五について
お尋ねの「促進区域の指定手続と並行して環境アセスメントを実施することで、期間短縮と併せて環境保全と地域の合意形成の確保を可能とする、日本版セントラル方式」の意味するところが必ずしも明らかではないが、現在も促進区域の指定と環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)及び電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)に基づく環境影響評価の手続については並行して実施可能である。
なお、「日本版セントラル方式」の意味については、基本計画において、「初期段階から政府や地方自治体が関与し、より迅速・効率的に風況等の調査、適時に系統確保等を行う仕組み(日本版セントラル方式)」としているところである。
六について
国内における地域間連系線等の増強については、基本計画において、「連系線等の基幹系統の増強に向けては、全国の再生可能エネルギーのポテンシャルを踏まえつつ、電力融通の円滑化によるレジリエンス向上に向けて、全国大での広域連系系統の形成を計画的に進めるためのマスタープランを策定する。その際には、将来の連系を検討している電源も含めて、各電源のポテンシャルの着実な把握を通じて、効率的かつ計画的な系統増強を行う。」こととしており、同マスタープラン等を踏まえて必要な措置を行ってまいりたい。
七について
風力発電の産業化を推進するための人材育成に係る取組については、産学官でその在り方についての議論を進めるとともに、教育や訓練を支援するための費用を令和四年度予算案に計上したところである。引き続き必要な措置を検討してまいりたい。