答弁本文情報
令和四年五月十七日受領答弁第六二号
内閣衆質二〇八第六二号
令和四年五月十七日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員長妻昭君提出生活保護の扶養照会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長妻昭君提出生活保護の扶養照会に関する質問に対する答弁書
お尋ねの「扶養照会を拒んだ場合、扶養照会を全くせず」、「保護適用の可否の審査に進む」及び「保護適用の可否の審査に影響を与えないようにする」の意味するところが必ずしも明らかではないが、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第四条第二項において、「民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養・・・は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする」と規定されており、御指摘の「扶養照会」(以下「扶養照会」という。)は、扶養義務者による扶養義務の履行の可否及び程度を確認するために必要な手続である。なお、扶養照会については、厚生労働省において、都道府県等に対し、「扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について」(令和三年二月二十六日付け厚生労働省社会・援護局保護課事務連絡)において、「要保護者等からの聞き取り等により、扶養の可能性の調査」を行った結果、「「扶養義務履行が期待できない者」と判断された場合は、個別に慎重な検討を行った上で・・・扶養照会を行わないこととして差し支えない」と示しているところであり、生活保護法第十九条に規定する保護の実施機関においては、要保護者が扶養照会を拒んでいるか否かにかかわらず、要保護者等からの聞き取り等を踏まえた慎重な検討により、扶養照会の要否の判断が行われるものであり、その結果、扶養照会を行わない場合においても、生活保護法による保護の基準(昭和三十八年厚生省告示第百五十八号)等に基づき、保護の要否の判断が行われるものである。