答弁本文情報
令和五年十一月二十日受領答弁第三七号
内閣衆質二一二第三七号
令和五年十一月二十日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員吉田はるみ君提出インボイス制度開始後の消費者が負担するより大きい消費税の徴収額に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員吉田はるみ君提出インボイス制度開始後の消費者が負担するより大きい消費税の徴収額に関する質問に対する答弁書
一及び二について
消費税は、諸外国の付加価値税と同様、取引の各段階で課税を行うとともに、課税の累積を排除する観点から、前段階の消費税額を控除する仕入税額控除を行う制度となっている。
御指摘の「本体価格」とは、売上げに係る対価から消費税相当額を差し引いた金額を指すと考えられるところ、御指摘の「国等の過大徴収」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の例においては、免税事業者であるBが、Cに対し、Aからの仕入れの際に支払った当該仕入れに係る本体価格二万円に三万円を上乗せした五万円を自身が製品を販売する際の本体価格として請求するとともに、消費税相当額として当該本体価格の十パーセント分に相当する五千円を併せて請求することとされているが、消費税を納税しない免税事業者が本体価格に消費税相当額を上乗せして請求することは消費税の仕組み上予定されておらず、BがAからの仕入れの際に支払った当該仕入れに係る本体価格とそれに対応する消費税相当額との合計額である二万二千円に三万三千円を上乗せした五万五千円が、Bの製品の本体価格としてCに対し請求されていると考えることが適当である。
このように、免税事業者が一連の取引の過程に存在する場合においては、免税事業者が仕入れの際に支払った消費税相当額は、免税事業者が販売する際の本体価格に転嫁され、最終的に消費者が負担するものと想定される。したがって、消費者が最終的に負担している金額としては、消費者が支払う消費税相当額だけではなく、免税事業者が仕入れの際に支払って本体価格に転嫁している消費税相当額も含めることが適当であり、これらの合計額は、取引の各段階における事業者の納税額の合計額と一致すると考えられる。