答弁本文情報
令和六年六月二十五日受領答弁第一五五号
内閣衆質二一三第一五五号
令和六年六月二十五日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員屋良朝博君提出陸上自衛隊第十五旅団公式ホームページの「辞世の句」及び陸上自衛隊幹部候補生学校教育要領の「善戦敢闘」の記述に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員屋良朝博君提出陸上自衛隊第十五旅団公式ホームページの「辞世の句」及び陸上自衛隊幹部候補生学校教育要領の「善戦敢闘」の記述に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねについては、平成三十年から陸上自衛隊第十五旅団ホームページに掲載されている。
二について
お尋ねについては、令和六年六月十一日の参議院外交防衛委員会において、木原防衛大臣が、「当該ホームページの記載につきましては、一五旅団の前身部隊である臨時第一混成群の部隊史を基に、沖縄の本土復帰直後の歴史的事実を示す資料として、ホームページ内の部隊の沿革を紹介するページに掲載されているということでございます。」と答弁しているとおりであり、御指摘のように「自衛隊が旧日本軍を後継する組織であることを内外に強調するもの」とは考えていない。
三について
お尋ねについては、令和六年六月十一日の参議院外交防衛委員会において、木原防衛大臣が、「御指摘の記載に関しましては、様々な御意見があるということを承知しております。当該ホームページの記載につきましては、一五旅団の前身部隊である臨時第一混成群の部隊史を基に、沖縄の本土復帰直後の歴史的事実を示す資料として、ホームページ内の部隊の沿革を紹介するページに掲載されているということでございます。」と答弁しているとおりである。
四について
お尋ねについては、令和六年六月十三日の衆議院安全保障委員会において、木原防衛大臣が、「部隊の情報発信の在り方につきましては、日頃からやはり地元の方々と身近に接し、そして地域の実情に通じている各部隊においてしかるべき判断、対応をすべきもの」と答弁しているとおりである。
五について
御指摘の「「日本軍が長期にわたり善戦敢闘し得た」との表現」は、防衛省において確認したところでは、陸上自衛隊幹部候補生学校の学校長が発する一般幹部候補生課程の陸上自衛隊幹部候補生学校一般命令(以下「一般命令」という。)における、「校内待機及び現地教育中止時の教育要領(基準)」において、平成二十八年度から令和二年度までの間に使用していた。
六について
お尋ねのいわゆる「沖縄戦」については、一般に、先の大戦において沖縄本島及びその周辺で行われた戦闘行為のことを指し、それについて様々な意見があると承知しているが、政府として定義して用いている用語ではなく、お尋ねの点について政府として統一した見解は有しておらず、五で御指摘の「「日本軍が長期にわたり善戦敢闘し得た」との表現」は、あくまで旧日本軍の一部の戦術の態様を表現したものである。
その上で、先の大戦において、沖縄は国内最大の地上戦を経験し、多くの方々が犠牲となり、筆舌に尽くし難い苦難を経験されたと承知している。このような悲惨な経験を風化させることなく、次の世代に継承することが重要であると認識している。
七について
前段のお尋ねについては、御指摘の「沖縄戦における旧日本軍の戦い方を否定的にとらえる用語や解説」の意味するところが必ずしも明らかではないが、陸上自衛隊幹部候補生学校の一般幹部候補生課程において、一般命令に基づき、例えば、第九十八期一般幹部候補生I課程(前段)沖縄戦史現地教育実施計画の「沖縄戦史を現地において教育し追体験させることにより、戦場、特に国土戦の実態を深刻に認識させる」との目的の下、沖縄県平和祈念資料館やひめゆりの塔等の研修により、先の大戦において、沖縄は国内最大の地上戦を経験し、多くの方々が犠牲となり、筆舌に尽くし難い苦難を経験されたことを教育している。また、後段のお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「沖縄戦での戦い方が決して賛美されるべきものではないこと」については、六についてでお答えしたとおりであり、当該研修により、同計画の目的である「沖縄戦史を現地において教育し追体験させることにより、戦場、特に国土戦の実態を深刻に認識させる」こと及び「使命感、責任感等を涵養し幹部自衛官としての資質を向上させる」ことにつながっているものと考える。
八について
御指摘の「辞世の句」については、四についてでお答えしたとおりである。また、御指摘の「「善戦敢闘」の記述」については、五についてでお答えしたとおり、既に使用していない。