答弁本文情報
令和六年六月二十八日受領答弁第一七一号
内閣衆質二一三第一七一号
令和六年六月二十八日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員山崎誠君提出日本原子力発電株式会社の原子炉設置許可変更申請における資金調達に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山崎誠君提出日本原子力発電株式会社の原子炉設置許可変更申請における資金調達に関する質問に対する答弁書
一の1について
御指摘の「補足説明資料五十七頁」及び「東電EPとの電気料金契約に基づく「基本料金のうち当該設備工事の減価償却費部分」を前受」の意味するところが必ずしも明らかではないが、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第四十三条の三の八第一項の規定に基づき日本原子力発電株式会社(以下「日本原電」という。)から平成二十六年五月二十日付けでなされた発電用原子炉の設置に係る変更の許可を求める申請の審査(以下「本件審査」という。)においては、日本原電が当該申請の内容に係る工事に要する資金を自己資金及び借入金により確保することを確認しており、また、当該借入金の一部は、御指摘の「前払」により確保することとしていると承知している。
一の2について
お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、事業者間で締結される電気の卸取引に係る契約の内容は、原則として自由であり、御指摘の「資金調達のイメージ図」に記載された方法に問題があるとは認識していない。なお、一般論として、日本原電において、電気事業会計規則(昭和四十年通商産業省令第五十七号)等の会計基準に基づき適切に会計処理を行う必要がある。
一の3について
お尋ねについては、日本原電の会計処理に関するものであり、政府として、公表されていない詳細については承知していない。なお、一般論として、日本原電において、電気事業会計規則等の会計基準に基づき適切に会計処理を行う必要がある。
一の4について
お尋ねについては、日本原電の会計処理に関するものであり、政府として、公表されていない詳細については承知していないが、日本原電が公表している「第六十六期 会社概況書」には、「有形固定資産」の「減価償却の方法」について「主として定率法によっているが、東海発電所及び一九九八年四月一日以降に取得した建物、並びに二〇一六年四月一日以降に取得した建物附属設備及び構築物については定額法を採用している」と記載されているものと承知している。
一の5及び9について
お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、日本原電の会計処理に関するものであり、政府として、公表されていない詳細については承知していない。
一の6について
御指摘の「竣工前に、竣工後に発生計上される減価償却費用分を前払すること」及び「発生計上されていない原電工事千七百四十億円の減価償却費用分を東電EPが前払している」ことを含め、事業者間で締結される電気の卸取引に係る契約の内容は、原則として自由であり、御指摘の「資金調達のイメージ図」に記載された方法に問題があるとは認識していない。なお、一般論として、日本原電において、電気事業会計規則等の会計基準に基づき適切に会計処理を行う必要がある。
一の7及び8について
お尋ねについては、民間企業間の契約に係るものであり、政府として承知していない。
一の10について
御指摘の「年度繰越、累積」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、一般論として、「電気料金契約」は民間企業間の契約に係るものであり、また、日本原電においては、電気事業会計規則等の会計基準に基づき適切に会計処理を行う必要がある。
一の11について
東京電力エナジーパートナー株式会社が令和五年五月に経済産業大臣の認可を受けた特定小売供給に係る料金(以下「令和五年五月認可料金」という。)の原価には、一の1についてで述べた工事に要する資金のうち御指摘の「前払」に係るものは含まれていないと承知している。
一の12について
お尋ねの意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、一般論として、日本原電においては、電気事業会計規則等の会計基準に基づき適切に会計処理を行う必要がある。
一の13について
お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、一の11についてで述べたとおり、令和五年五月認可料金の原価には、一の1についてで述べた工事に要する資金のうち御指摘の「前払」に係るものは含まれていないと承知している。また、特定小売供給に係る料金(以下「規制料金」という。)の今後の改定申請の内容及び時期や、規制料金以外の電気料金の設定は、東京電力エナジーパートナー株式会社の経営判断に係るものであり、お尋ねについて政府としてお答えする立場にない。
一の14について
御指摘の「「調達資金」として会計処理すること」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、一般論として、「電気料金契約」は民間企業間の契約に係るものであり、また、日本原電においては、電気事業会計規則等の会計基準に基づき適切に会計処理を行う必要がある。
一の15について
お尋ねの意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
二の1から3までについて
御指摘の「竣工後に原電は東北電力の基本料金の減価償却費分から返済する」、「金融機関等からの借入金の返済は竣工後でなければ、できない」及び「工期の延長は返済計画の延期になってしまう。その場合、「債務保証」している東北電力が借入金の返済をする」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、民間企業間の契約に係るものであり、政府として承知していない。
二の4について
前段のお尋ねについては、御指摘の「「債務保証」は、金融機関が貸付において貸付相手の信用力のない場合、第三者の連帯保証として存在する」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、民間企業間の契約に係るものであり、政府として承知していない。
後段のお尋ねについては、御指摘の「金融機関等の原電への財務状況と信用力等の評価は、東北電力の「債務保証」がなければ貸付はできない」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、民間企業の経営判断に係るものであり、政府としてお答えする立場にない。
二の5について
御指摘の「前問のような評価」については、二の4についてで述べたとおり、民間企業の経営判断に係るものであり、それを前提としたお尋ねにお答えすることは困難であるが、本件審査においては、日本原電がその申請内容に係る工事に要する資金を調達できる見込みがあるかどうかを確認し、御指摘の「経理的基礎」に係る許可の基準に適合していることを確認している。