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令和六年十二月十日受領
答弁第九号

  内閣衆質二一六第九号
  令和六年十二月十日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員原口一博君提出TSMC及びJASMに対する支援等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員原口一博君提出TSMC及びJASMに対する支援等に関する質問に対する答弁書


一の1について

 御指摘の「外国企業に過度に依存する」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「高い国際競争力を有する国内の半導体産業の育成及び強化」については、政府として、我が国産業にとって極めて重要であると考えており、御指摘の「半導体産業の復活」に向けて、例えば、半導体・デジタル産業戦略(令和五年六月六日経済産業省改定)において、まず足下の生産基盤の確保に取り組むこととしている。半導体の中でも、とりわけ、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律(令和二年法律第三十七号。以下「法」という。)第二条第四項に規定する特定半導体(以下「特定半導体」という。)については、国際的にもその生産能力が限られているため、「外国企業」であるか否かにかかわらず、国内における安定的な生産体制を確保することが重要であると考えており、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited(以下「TSMC」という。)及びJapan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社(以下「JASM」という。)から提出された法第十一条第一項に規定する特定半導体生産施設整備等計画(以下「特定半導体生産施設整備等計画」という。)について、令和四年六月及び令和六年二月に、同条第三項の規定に基づく認定(以下「認定」という。)をしたものである。こうした取組に加え、御指摘の「半導体産業の復活」に向けて引き続き不断の努力を行ってまいりたい。

一の2について

 政府としては、我が国において、令和十二年までに半導体を生産する企業の合計売上高が十五兆円超となり、半導体の安定的な供給が確保されることを目標として掲げているところ、このためには、足下の半導体の製造基盤の確保、次世代技術の確立及び将来技術の研究開発に取り組むことが必要であると考えており、例えば、令和十二年度まで特定半導体基金事業及び安定供給確保支援事業を、令和十一年度までポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業を、それぞれ実施するなど、引き続き必要な支援を行っていく考えである。

二の1について

 御指摘の「十二〜二十八ナノメートル」及び「六〜十二ナノメートル」の演算を行う半導体については、令和六年十二月四日時点で、我が国で量産された実績がなく、御指摘の「TSMC及びJASMの熊本第一工場」及び「第二工場」において当該半導体の生産が行われることは、特定半導体の国内安定供給確保に資するものであることに加え、半導体製造装置や半導体材料等の関連産業の集積、人材育成等を通じて、御指摘の「我が国の半導体産業の振興に」大いに「寄与」するものであると考えている。

二の2のア及び3について

 認定の要件としては、法第十一条第三項第四号において、同項第二号に規定する特定半導体等(以下「特定半導体等」という。)の需給がひっ迫した場合において増産すること等や、同号及び経済産業省関係特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律施行規則(令和二年経済産業省令第六十八号。以下「省令」という。)第十条において、特定半導体生産施設整備等計画に基づく特定半導体等の生産が十年以上継続的に行われると見込まれることを求めているところ、TSMC及びJASMから提出された特定半導体生産施設整備等計画に、「十年以上の継続生産を予定」、「JASMは、需給がひっ迫した場合には、緊急時対応として稼働率を向上させ、増産に取り組む」、「製品の納入先」は「日本の顧客が中心」、「TSMCは、日本政府からの要請に応じ、日本の顧客向けの供給拡大について誠実に協議に応じる」等といった旨の記載がなされていることも踏まえ、法第十一条第三項各号に掲げる要件を満たすものと判断し、令和四年六月及び令和六年二月に認定を行ったものである。また、認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)が認定に係る特定半導体生産施設整備等計画に従って特定半導体生産施設整備等を実施していない、又は同項各号のいずれかに適合しないものとなったと認められるときは、経済産業大臣は、法第十二条第二項及び第三項の規定に基づき、当該特定半導体生産施設整備等計画の変更を指示し、又は当該認定を取り消すことができるとされており、これを踏まえ、助成金の交付を受けた認定事業者に対して当該認定に基づく助成金の返還を請求することが必要な場合においては、当該助成金の交付に係る業務を行う国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)において、特定半導体基金事業費助成金交付規程(令和四年四月三十日付けNEDO作成。以下「交付規程」という。)に基づき、請求する返還額については経済産業省からの指示に従い、適切に対応していくものと承知している。

二の2のイ及びウについて

 二の2のアでお尋ねの「TSMC及びJASMが認定を受けた認定特定半導体生産施設整備等計画(二〇二二半経第〇〇一号−一及び二〇二三半経第〇〇三号−一)」の「BTSMC及びJASMは、関係法規及び契約の規定を常に遵守するとされている」における「契約」とは、TSMC及びJASMが、それぞれが自社で雇用する従業員との間で交わす労働契約を指しているものと認識している。

三の1のアについて

 お尋ねの「TSMC及びJASMの第一工場」の設置の事業は、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)に定める環境影響評価の対象事業に該当しないため、当該事業を行う事業者による同法に基づく環境影響評価は行われていないものと承知している。

三の1のイについて

 お尋ねの「第二工場」の設置の事業は、環境影響評価法に定める環境影響評価の対象事業に該当しないため、当該事業を行う事業者による同法の規定に基づく環境影響評価は行われる予定はないものと承知している。

三の2のアについて

 お尋ねの「TSMC及びJASMの半導体製造工場の稼働に伴う」「周辺環境への影響」については、政府として、地元自治体や事業者等との意見交換等を通じて把握に努めており、地下水については、例えば、JASMが、公益財団法人くまもと地下水財団等が実施する地下水涵養事業に参画し、地下水保全に向けて必要な取組を講じていると承知しており、また、排水対策については、例えば、熊本県が、令和五年八月から令和六年十一月までにかけて、JASMの半導体工場周辺等の約十箇所において水質調査を実施しており、同様の調査を御指摘の「JASMの第一工場の本格稼働」の後にも実施する予定であると承知している。引き続き、地元自治体や事業者等と連携し、お尋ねの「周辺環境への影響」の適切な把握に努めてまいりたい。

三の2のイについて

 認定事業者においては、省令第十五条第二項の規定により、法第十二条第二項に規定する認定特定半導体生産施設整備等計画(以下「認定特定半導体生産施設整備等計画」という。)の各事業年度における実施状況を原則として当該事業年度終了後三月以内に経済産業大臣に報告することとされており、政府としては、当該報告の内容に基づき、当該認定特定半導体生産施設整備等計画に記載された御指摘の「環境対策」が講じられていることを確認することとしている。また、当該報告の内容に疑義がある場合には、法第三十二条第二項の規定に基づき、同大臣は、認定事業者に対し、認定特定半導体生産施設整備等計画の実施状況について報告を求めることができるものとされている。これに加えて、二の2のア及び3についてでお答えしたとおり、これらの報告の内容を踏まえ、認定事業者が認定特定半導体生産施設整備等計画に従って特定半導体生産施設整備等を実施していないと認められるときは、同大臣は、法第十二条第二項及び第三項の規定に基づき、当該認定特定半導体生産施設整備等計画の変更を指示し、又は認定を取り消すことができるとされており、これを踏まえ、助成金の交付を受けた認定事業者に対して当該認定に基づく助成金の返還を請求することが必要な場合においては、当該助成金の交付に係る業務を行うNEDOにおいて、交付規程に基づき、請求する返還額については経済産業省からの指示に従い、適切に対応していくものと承知している。

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