答弁本文情報
令和六年十二月十日受領答弁第一九号
内閣衆質二一六第一九号
令和六年十二月十日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員原口一博君提出FMS調達の急増と未納入・未精算問題の現状等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員原口一博君提出FMS調達の急増と未納入・未精算問題の現状等に関する質問に対する答弁書
一について
第二次安倍内閣発足以降の、米国の有償援助による調達(以下「FMS調達」という。)に係る各年度ごとの当初予算額(契約ベース)は、次のとおりである。
平成二十五年度 約千百七十九億円
平成二十六年度 約千九百六億円
平成二十七年度 約四千七百五億円
平成二十八年度 約四千八百五十八億円
平成二十九年度 約三千五百九十六億円
平成三十年度 約四千百二億円
令和元年度 約七千十三億円
令和二年度 約四千七百十三億円
令和三年度 約二千五百四十三億円
令和四年度 約三千七百九十七億円
令和五年度 約一兆四千七百六十八億円
令和六年度 約九千三百十六億円
お尋ねの「岸田前政権下でFMS調達が急増した理由」については、一般に、装備品の調達には複数年度を要するところ、「防衛力整備計画」(令和四年十二月十六日閣議決定)に基づき、令和九年度までの防衛力の抜本的強化の実現に向け、可能な限り早い段階で契約を行ったことから、令和五年度以降、FMS調達に係る当初予算額が増加しているものである。
「石破新内閣としても、FMSによる装備品等の取得を積極的に続けていく方針か伺いたい」とのお尋ねについては、FMS調達は、米国からのみ調達が可能な高性能な装備品に係るものであることから、今後も必要に応じて活用していく考えである。
二及び三について
お尋ねについて、過去十年間の各年度における@お尋ねの「未納入」の件数及び金額並びにAお尋ねの「未精算」の件数及び金額をお示しすると、次のとおりである。
平成二十六年度 @九十二件、約二百二十七億円 A百九十七件、約三百二十一億円
平成二十七年度 @七十三件、約百六十七億円 A二百五十七件、約五百二十二億円
平成二十八年度 @八十九件、約百八十九億円 A二百七十七件、約六百二十三億円
平成二十九年度 @八十六件、約三百五十一億円 A二百八十件、約五百二十億円
平成三十年度 @百三十二件、約三百二十六億円 A二百六十三件、約四百九十三億円
令和元年度 @八十四件、約百六十六億円 A二百二十九件、約三百三十二億円
令和二年度 @五十五件、約百四十四億円 A二百五十件、約三百三十七億円
令和三年度 @六十二件、約百二十三億円 A三百十三件、約四百億円
令和四年度 @五十件、約百十七億円 A三百十八件、約三百六十六億円
令和五年度 @五十件、約百十三億円 A二百九十六件、約三百六十五億円
「未納入」及び「未精算」の金額は、全体として減少の傾向にあるが、防衛省としては、令和六年五月二十日の参議院決算委員会において、森防衛装備庁調達管理部長(当時)が「まず、防衛装備庁において、履行管理体制強化のために、令和二年度に、米国現地に米国政府との調整を行う有償援助調達調整班を新設いたしました。これ、在米のスタッフがおるんですけれども、それを四名から十名に増強しているところでございます。一方で、国内でも令和三年度に、防衛装備庁本庁の調達実施部署にFMS調達の履行状況を管理する四名から成る履行管理・促進班を新設して業務に当たっているところでございます。それと、毎年度、FMS調達の諸課題について米側と協議をするSCCM本会議という会議がございます。そこにおきまして、全ての未納入、未精算のケースの個々の品目ごとの履行状況の管理を継続、強化することとしておりまして、米側に個別具体的に働きかけを行っている状況でございます。」と答弁しているとおり、各種取組を進めてきた結果、一定の改善が得られたものと考えている。
四について
お尋ねの「批判」について、その背景や根拠等を必ずしも承知しているわけではないが、御指摘の「グローバルホーク」及び「トマホークの一部」は、いずれも、我が国防衛を全うする観点からその必要性を勘案し、取得した装備品である。
五について
御指摘の「FMS調達における米国からの納入の遅延や納入される装備品等のグレードダウン」を含め、FMS調達について課題が生じた場合には、米国政府との交渉・協議等を通じて適切に対応しつつ、我が国として必要となる装備品等を調達していくこととしている。