答弁本文情報
令和六年十二月十日受領答弁第三二号
内閣衆質二一六第三二号
令和六年十二月十日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員櫻井周君提出腐敗防止の国際協力に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員櫻井周君提出腐敗防止の国際協力に関する質問に対する答弁書
一について
我が国は、腐敗の防止に関する国際連合条約(平成二十九年条約第二十四号。以下「国連腐敗防止条約」という。)に基づき、公務員に係る贈収賄、犯罪収益の洗浄、司法妨害等を犯罪として定め、これらの犯罪について自国の裁判権を設定すること、犯罪人引渡し、犯罪収益の没収、財産の返還等について国際協力を促進すること等の義務を負っている。
二について
お尋ねについては、我が国は、一についてで述べた国連腐敗防止条約上の義務の履行に加えて、腐敗対策の分野における開発途上国に対する技術援助等が期待されていると考えている。
三について
お尋ねについては、例えば、腐敗対策に関し、米国等と二国間の意見交換を随時実施しているところである。
四について
御指摘の「対日審査報告書」においては、国連腐敗防止条約第三章及び第四章の規定に関し、我が国として当該規定に基づく義務の履行を怠っている旨の指摘はなかったが、当該規定の実施上の課題として、外国公務員等に係る収賄を犯罪として定めることを考慮することや国際協力の要請に関するデータ収集のシステムを強化すること等の腐敗行為の防止に関する我が国における既存の措置を更に強化し得る事項や我が国に対して実施を考慮することを奨励し又は勧告する事項が指摘されている。政府としては、これらの指摘を踏まえつつ、関係省庁が連携し、引き続き、国連腐敗防止条約の着実な実施に努めてまいりたい。
五について
お尋ねについては、国連腐敗防止条約前文において、「この条約の締約国は、腐敗が社会の安定及び安全に対してもたらす問題及び脅威が、民主主義の制度及び価値、倫理上の価値並びに正義を害すること並びに持続的な発展及び法の支配を危うくすることの重大性を憂慮し」、「腐敗がもはや地域的な問題ではなく、すべての社会及び経済に影響を及ぼす国際的な現象であり、腐敗行為を防止し、及び規制するための国際協力が不可欠であることを確信し」とされているところ、我が国としては、かかる認識の下、国際的な取組を積極的に推進してまいりたい。