答弁本文情報
令和六年十二月十三日受領答弁第三九号
内閣衆質二一六第三九号
令和六年十二月十三日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員井坂信彦君提出クマ被害の軽減とハンター支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員井坂信彦君提出クマ被害の軽減とハンター支援に関する質問に対する答弁書
一について
各地方公共団体における御指摘の「自治体と猟友会、警察や公安委員会と猟友会の関係」については把握していないが、いずれにせよ、クマ類による被害防止のための対策については、各地域において関係行政機関、捕獲技術を有する者等が現場で緊密に連携して対応するよう関係者に働きかけてまいりたい。
二の1について
お尋ねについては、「クマ類による被害防止に向けた対策方針」(令和六年二月八日クマ類保護及び管理に関する検討会取りまとめ)において、「都道府県及び市町村は捕獲技術者の育成のため、地域で対策を実施する専門職員や捕獲技術者に対して研修会や技術指導を継続的に行うとともに、人材の育成を行う必要がある」とされており、お尋ねの「行政内にハンターを育成する」こと及び「猟友会などの協力団体を育成する」ことの双方が含まれていると承知している。
二の2及び3について
御指摘の「狩猟の技術の継承」を含め、「捕獲技術者の育成・確保」については、令和六年度にクマ類を鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第二条第五項に規定する指定管理鳥獣(以下「指定管理鳥獣」という。)に指定したことから、指定管理鳥獣対策事業交付金により、クマ類の「捕獲技術者」の技術の向上及び育成に向けた都道府県における必要な取組の実施に対して支援を行っているところであり、引き続き同交付金による支援を行ってまいりたい。
三について
クマ類を指定管理鳥獣に指定したことにより、クマ類の捕獲等の対策に従事する者に対する賃金等も指定管理鳥獣対策事業交付金の対象経費となったほか、鳥獣被害防止総合対策交付金により、市町村がそれぞれ判断し捕獲技術を有する者に対して支払う捕獲のための活動経費を含め、市町村が実施するクマ類による農作物等の被害を防止するための対策に対して支援を行っているところである。
四について
御指摘の「不要果樹や薮の伐採、防護柵や電気柵の設置」に係る費用については、クマ類による農作物等の被害を防止するため鳥獣被害防止総合対策交付金において支援を行っているほか、令和六年度にクマ類を指定管理鳥獣に指定したことにより、指定管理鳥獣対策事業交付金の対象経費とすることで支援を強化しており、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたい。
五について
前段のお尋ねの「測定」は、政府として行っていない。
後段のお尋ねについては、クマ類の被害防止のための対策は、当該被害はクマ類の生息状況、出没状況等様々な要因に影響されるものであり、また、クマ類の出没に係る防除対策とクマ類が出没した際の捕獲とを地域の状況等に応じて適切に組み合わせて実施されるものであると考えており、費用対効果を一律に比較することは困難である。
六について
地方公共団体への技術的支援として作成した「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類編)改定版」(令和四年三月環境省改定)において、「人とクマ類の棲み分けを図」るため「奥山等の地域」を「コア生息地」として設定し、「針葉樹人工林の広葉樹林あるいは針広混交林への誘導、落葉広葉樹林環境の保全と復元を行う」等としているところであり、これらの施策が有効であると考えている。