答弁本文情報
令和六年十二月二十日受領答弁第四九号
内閣衆質二一六第四九号
令和六年十二月二十日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員福田玄君提出医薬品濫用防止対策と六年制薬学部の存立の意義に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員福田玄君提出医薬品濫用防止対策と六年制薬学部の存立の意義に関する質問に対する答弁書
一について
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)第十五条の二に規定する濫用等のおそれのある医薬品(以下「濫用等のおそれのある医薬品」という。)については、同条等の規定、「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成二十六年三月十日付け薬食発〇三一〇第一号厚生労働省医薬食品局長通知)、「「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第十五条の二の規定に基づき濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品」の改正について」(令和五年二月八日付け薬生発〇二〇八第一号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)等に基づき、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第一条の四に規定する薬局開設者、法第二十七条に規定する店舗販売業者又は法第三十一条に規定する配置販売業者(以下「薬局開設者等」という。)は、当該濫用等のおそれのある医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、原則とする「一人一包装単位」を超えて購入し、又は譲り受けようとする場合について、薬局や店舗等において、薬剤師又は法第四条第五項第一号に規定する登録販売者に、その理由を確認させた上で、当該薬剤師又は登録販売者が、その理由を勘案し、適正な使用のために必要と認める場合には、その必要と認める数量に限り、販売し、又は授与することとしているところであり、お尋ねの「海外在住者、長期海外出張者や離島居住者などが、備蓄等を理由にして購入したいなど必要に迫られて購入したい場合」については、御指摘のように「「一人一包装単位」での販売しか認めない」ものではない。
なお、厚生労働省においては、濫用等のおそれのある医薬品の販売の実態について、「医薬品販売制度実態把握調査」により把握に努めており、当該調査の結果を踏まえ、各地方公共団体、関係団体等と連携し、濫用等のおそれのある医薬品が適正に販売されるよう薬局開設者等に対して法令遵守の徹底を求めているところであり、引き続き、薬局開設者等において法令遵守の徹底が図られるよう必要な取組を進めてまいりたい。
二について
一についてでお答えしたとおりであり、お尋ねのように「薬剤師であっても、右の事例のような適正な販売個数について判断できないと政府が考えている」わけではない。
三について
一についてでお答えしたとおりであり、御指摘のように「六年制薬学部を卒業した薬剤師であっても「適正な販売個数について判断できない」と国が判断している」わけではなく、お尋ねのように「六年制をやめ、四年制に戻すことを検討」することは考えていない。
四について
一についてでお答えしたとおり、御指摘のように「販売時に必ずしも専門職たる薬剤師が関与しないゆえに、個数制限として一人一包装単位とした」わけではなく、また、法第四条第五項第四号に規定する一般用医薬品の区分については、法第三十六条の七第一項の規定により、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるか、さらに、その使用に関し特に注意が必要なものであるか等を勘案して指定されるものであり、御指摘の「濫用のおそれ」を基準とした区分ではないことから、御指摘のように「濫用のおそれのある医薬品を高度な専門教育を受けた薬剤師が関与せず、あたら簡便に購入ができることが前提となる第二類医薬品に分類した」ものでもなく、これらのことを前提としたお尋ねにお答えすることは困難である。
五及び六について
お尋ねについては、御指摘の「四年制薬学部」又は「六年制薬学部」のいずれか一方「のことを指す」わけではない。
七について
御指摘の「六年制薬学部」においては従前から、「基礎薬学」も学修することとされており、御指摘のように「六年制薬学部のコアカリキュラムにいまさら創薬の基本となる基礎薬学を組み込む」わけではなく、また、「六年制薬学部の卒業生をして薬学研究者」の「養成」も行っており、御指摘の「政策変更」を行うものでもなく、「弁明をするべき」とは考えていない。なお、「「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」中間とりまとめを踏まえた政策目標と工程表」(令和六年七月内閣官房健康・医療戦略室)において、「次期薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和八年度から検討開始予定)改訂に向けて、創薬につながる薬学人材養成のための教育内容について検討」としており、これを踏まえて適切に対応してまいりたい。