衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和七年三月二十五日受領
答弁第一〇八号

  内閣衆質二一七第一〇八号
  令和七年三月二十五日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員原口一博君提出「世界最高水準のカジノ規制」の方向性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員原口一博君提出「世界最高水準のカジノ規制」の方向性に関する質問に対する答弁書


一について
  
 お尋ねについては、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項の規定により、申請等を同項に規定する電子情報処理組織を使用する方法により行うことができることとされていることを受け、カジノ管理委員会においては、申請等の手続等に係る関係者の利便性の向上、行政運営の簡素化及び効率化並びに社会経済活動の更なる円滑化を図るため、御指摘の「事業者等からカジノ管理委員会への資料等の提出」に当たっては、御指摘の「電子データによる提出」を可能としているところ、御指摘のように「電子データによる提出を義務付け」ることは考えていない。

二及び三について
  
 令和四年七月にカジノ管理委員会事務局が策定した「カジノ事業の免許等の審査事務ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)において、特定複合観光施設区域整備法(平成三十年法律第八十号。以下「法」という。)第六十八条第一項第一号に規定する入場者が法第四十一条第二項第二号イ(8)に掲げる者(以下「暴力団員等」という。)に該当しないことの確認及び法第二条第八項に規定するカジノ業務等に従事する者が暴力団員等に該当しないことの点検をカジノ事業者(法第二条第九項に規定するカジノ事業者をいう。以下同じ。)が行う際の措置として、「暴力追放運動推進センター(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第三十二条の三第一項に規定する都道府県暴力追放運動推進センター又は同法第三十二条の十五第一項に規定する全国暴力追放運動推進センターをいう。・・・)等の情報を集約した自社データベース及び外部データベース」を活用することを例示しているところであり、関係法令上、御指摘の「政府が把握する暴力団員等に関する情報」をカジノ事業者に提供することにより当該確認及び当該点検を行わせることとしているものではない。

四について
  
 カジノ事業者は、法第六十八条第一項第二号の規定により、カジノ施設(法第二条第十項に規定するカジノ施設をいう。以下同じ。)を利用させることが不適切であると認められる者のカジノ施設の利用を制限する措置を講じなければならないこととされており、カジノ管理委員会関係特定複合観光施設区域整備法施行規則(令和三年カジノ管理委員会規則第一号。以下「規則」という。)第四十五条第一項の規定により、カジノ施設における顧客の言動や顧客のカジノ施設の利用状況に照らし、そのような者の発見に努めるものとされている。
 また、いかなる者がカジノ施設を利用させることが不適切であると認められる者に該当し得るかについては、ガイドラインにおいて、「食事や休憩も取らずに長時間にわたってカジノ行為に没頭するなど、自制心を失っている様子がうかがえる者」等を例示しているところである。

五について
  
 御指摘の「カジノ施設への入場記録等の情報」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、カジノ事業者が、法第七十条第一項の規定に基づき確認した本人特定事項(同項に規定する本人特定事項をいう。以下同じ。)等の情報を他のカジノ事業者に提供することについて、法上明文の規定はない。また、御指摘の「カジノ事業者とカジノ管理委員会との間」での当該情報の共有については、同条第三項及び規則第五十三条第一項の規定により、カジノ事業者は、法第七十条第二項に規定する入場者の本人特定事項(写真を除く。)及び当該入場者がカジノ行為区画(法第二条第十項第一号に規定するカジノ行為区画をいう。以下同じ。)に入場し、又はカジノ行為区画から退場した日時をカジノ管理委員会に報告しなければならないこととされている。

六について
  
 御指摘の「入場料」については、「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ〜「観光先進国」の実現に向けて〜」(平成二十九年七月三十一日特定複合観光施設区域整備推進会議決定)において、「賦課対象はカジノ施設への安易な入場を抑止する観点で、IRへの来場が頻繁になりうる日本人及び国内居住の外国人とし、一日(二十四時間)単位で入場料を賦課することとすべきである」とされているところであり、御指摘の「本邦内に住居を有しない外国人」に対して、御指摘の「入場料」を求めることは想定していない。

七について
  
 法第三条において、国は、カジノ施設に入場した者がカジノ施設を利用したことに伴い受ける悪影響の防止並びにこれらの実施のために必要な体制の整備その他のカジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策を策定し、及び実施する責務を有することとされており、政府としては、これら施策を国が責任をもって行うものと考えている。また、法第四条において、法第二条第二項に規定する特定複合観光施設区域の整備に関係する地方公共団体は、カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策に関し、国との適切な役割分担の下、地方公共団体が実施すべき施策として、その地方公共団体の区域の実情に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有することとされている。
 御指摘の「カジノ事業によるギャンブル依存症患者へのケア」を含むカジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務には該当しないことから、お尋ねのように「法定受託事務とすべき」とは考えていない。

八の1について
  
 お尋ねについては、カジノ管理委員会としては、カジノ事業者において、例えば、対面での本人確認の際に、個人番号カードから情報を読み取り、券面に表示された情報の真正性を確認することができる「マイナンバーカード対面確認アプリ」の活用により、法第六十八条第一項第一号に規定する入場者から提示を受ける書類の真正性を確認することを含めて、法第七十条第一項の規定に基づく本人確認等が適切に行われるよう、法第百九十六条の規定に基づく監査、法第百九十七条第一項の規定に基づく報告徴収及び同条第二項の規定に基づく立入検査等を通じて、カジノ事業者を監督することにより、御指摘の「偽造された個人番号カードや旅券が本人確認等に利用されること」の防止に努めてまいりたい。

八の2について
  
 お尋ねについては、令和五年十二月七日の衆議院総務委員会において、鈴木総務大臣(当時)が「一般的に申し上げれば、マイナンバーカードは、特殊な印刷技術により券面の偽造防止措置が取られております。また、内部の情報を読み取ろうとすると内容が消去される機能を有するICチップを活用しているなど、様々なセキュリティー対策が講じられております。さらに、カードの利用の場面では、カードの中のICチップに記録されている正しい券面情報を確認することにより、券面の真贋性を確認することができ、不正利用を防ぐ対策も講じられております。」と答弁しているとおりである。

九について
  
 カジノ事業者は、法第七十一条の規定に基づき、法第七十条第一項に規定する入場禁止対象者によるカジノ施設の利用を防止するために必要な措置を講じなければならないこととされ、また、法第百十条第一項の規定に基づき、カジノ施設を利用させることが不適切であると認められる者によるカジノ施設の利用の禁止又は制限、カジノ施設及びその周辺における監視及び警備の実施その他の必要な措置を講じなければならないこととされている。カジノ管理委員会としては、これらの措置が適切に講じられるよう、法第百九十六条の規定に基づく監査、法第百九十七条第一項の規定に基づく報告徴収及び同条第二項の規定に基づく立入検査等を通じて、カジノ事業者を監督することにより、御指摘の「カジノ事業者が関与して行われる利用客の不正入場やカジノ施設内での違法行為」の防止に努めてまいりたい。

十について
  
 お尋ねについては、カジノ管理委員会としては、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成十九年法律第二十二号)第八条第一項に規定する疑わしい取引の届出等が適切に行われるよう、法第百九十六条の規定に基づく監査、法第百九十七条第一項の規定に基づく報告徴収及び同条第二項の規定に基づく立入検査等を通じて、カジノ事業者を監督することにより、御指摘の「疑わしい取引情報の隠蔽」の防止に努めてまいりたい。

十一について
  
 御指摘の「機密性の高い情報を扱うカジノ管理委員会で使用される情報システム等」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、カジノ管理委員会において、公務所等への照会によって取得した情報を取り扱うことが想定される現行の情報システムの設計及び構築並びに運用及び保守等の業務に係る調達においては、「政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準(令和五年度版)」(令和五年七月四日サイバーセキュリティ戦略本部決定)等に基づき、政府機関において共通のセキュリティ対策を適切に講じているところであり、現時点において、御指摘のように「「適正評価」と同様の厳格な調査を行う」ことは考えていない。

十二について
  
 お尋ねの「機密性の高い情報を扱うカジノ管理委員会で使用される情報システム等」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和六年六月二十一日閣議決定)において、「各府省庁において必要となる情報システムの整備に当たっては、・・・クラウドサービスの利用を第一候補として検討する」こととしており、カジノ管理委員会としても、当該方針に従ってクラウドサービスを利用したシステムの構築を進めているところである。

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.