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答弁本文情報

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令和七年五月二十日受領
答弁第一八〇号

  内閣衆質二一七第一八〇号
  令和七年五月二十日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員竹上裕子君提出外国人による国民健康保険料等の未納・滞納や医療サービス濫用への対策の必要性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員竹上裕子君提出外国人による国民健康保険料等の未納・滞納や医療サービス濫用への対策の必要性に関する質問に対する答弁書


一及び二について
  
 御指摘の「聴取調査」及び「厚生労働省が・・・提示した資料」における調査については、いずれも、一部の地方自治体を対象にした調査であるところ、御指摘の「各自治体の国民健康保険における国籍別の保険料(税)の納付状況の把握」については、令和七年四月三日の参議院厚生労働委員会において、政府参考人が「外国人の滞納状況の把握については、現在その滞納状況を実際に把握できている自治体とできていない自治体があるところでございますので、まずはその把握が可能な自治体、こちらのところについてよく聞き取りを行って、その結果を踏まえた分析を速やかに進めていきたい、その上で更に全体的な調査というのもしっかりやっていきたい、このように考えております。」と答弁したとおりであり、現時点では、必ずしも御指摘のように「国民健康保険料(税)の納付率は、外国人が日本人を大幅に下回っていることが明らかとなった」とは考えていないが、いずれにせよ、一部の地方自治体において「外国人」の「国民健康保険料(税)の納付率」が「日本人」のそれを「下回っている」ため、これに関する対応については、同日の同委員会において、政府参考人が「我が国の医療保険制度は、適正な在留資格を有し、日本国内に住所を有する外国人については原則として加入し、保険料を納めていただきながら保険給付が受けられるという仕組みになっております。このことは、要するに被保険者の支え合いで成り立っている医療保険制度でございますので、外国人の方にも適切に保険料納付していただくこと、極めて重要であるというふうに考えております。これまでの取組といたしましては、保険者において、外国語によるリーフレット作成などによる制度の周知、外国人を含め保険料の滞納者への納付の勧奨や相談等の取組を行っておりますが、引き続き、保険料を適切に納付いただけるよう、関係省庁ともよく連携しながらしっかり取り組んでいきたいと考えております。」と答弁したとおりである。

三の1について
  
 御指摘の「国民健康保険料(税)」については、「来日した外国人」も含め、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第八十一条等の規定により、保険者は、保険料の賦課額等の保険料の賦課及び徴収等に関する事項について、国民健康保険法施行令(昭和三十三年政令第三百六十二号)第二十九条の七第二項第四号等に規定する「基礎控除後の総所得金額等」を用いた上で、具体的には条例で定める等により、保険料の賦課及び徴収等の具体的な事務が行われているところ、政府として、当該事務の詳細を網羅的に把握していないため、お尋ねの「どのような証拠書類によって証明されるのか、また、当該証拠書類の真正性及び正確性はどのように担保されるのか」についてお答えすることは困難である。

三の2、4及び6について
  
 お尋ねの「国籍別の滞納処分の実施状況」、「国民健康保険の保険料(税)を滞納したままで出国した外国人の数及び当該外国人による国民健康保険料(税)の滞納額」及び「国民健康保険の保険料(税)を滞納したまま出国した外国人が海外に所有する財産に対する差押えの状況、再入国した当該外国人に対する取立ての実施状況及び滞納処分による取立財産の割合」については、把握しておらず、また、調査を行って集計することは膨大な作業を要することなどから、お答えすることは困難である。

三の3及び5について
  
 御指摘の「外国人が国民健康保険の保険料(税)を滞納したまま出国する場合、日本からの出国時、国民健康保険の保険料(税)の滞納状況を確認し、滞納がある場合には、その場で取立てを行」うこと及び「国民健康保険の保険料(税)を滞納したまま出国した外国人に対し、」「滞納処分の方法をと」ることについては、「出国」時点での「滞納状況」の把握や「滞納したまま出国した」後の「滞納処分」の対象となる財産の保有状況の把握といった実務上の課題があり、困難と考えている。なお、御指摘の「外国人」も含め、国民健康保険法第五十四条の三第一項の規定に基づき、「市町村及び組合は、保険料を滞納している世帯主・・・又は組合員」に対し、「当該保険料の納付の勧奨及び当該保険料の納付に係る相談の機会の確保その他厚生労働省令で定める保険料の納付に資する取組」を行うこととしているところ、御指摘の「外国人」が「国民健康保険の保険料(税)を滞納したまま出国」する前の段階において、同項の規定に基づき「市町村及び組合」において当該取組が行われているところである。

四の1について
  
 お尋ねについては、個別の事案に関することであり、お答えを差し控えたい。

四の2及び3について
  
 お尋ねの「来日し、国民健康保険に加入した外国人について、来日後、半年以内、一年以内及び二年以内に高額療養費制度を利用した者の数及びその数の同制度を利用した者の総数に占める割合」及び「日本人以外で同制度を利用した者の数の多い国籍別の上位三か国について、その利用件数及び同制度に基づく支給金額」については、把握しておらず、また、調査を行って集計することは膨大な作業を要することなどから、お答えすることは困難である。

五について
  
 お尋ねの「法的根拠」及び「拠って立つ根拠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、「市場アクセス改善のためのアクション・プログラムの骨格」(昭和六十年七月三十日政府・与党対外経済対策推進本部決定)について、「調和ある対外経済関係の形成と世界経済の安定的発展を図るため」、「サービス」の分野については、いわゆる内外無差別の原則等に留意して策定され、「サービス貿易に関する国際的枠組みの確立をめざし、我が国としてサービス面で積極的に貢献するため、諸外国と協調しつつ諸規制の改善・撤廃の方向で、所要の準備を進めることと」し、「医療保険」について「日本国内に居住する外国人について国民健康保険を適用する」とされたことも踏まえ、国民健康保険法施行規則(昭和三十三年厚生省令第五十三号)を改正し、具体的には、「国民健康保険法施行規則の一部を改正する省令の施行及びこれに伴う国民健康保険条例準則の一部改正について」(昭和六十一年三月七日付け保発第二十七号厚生省保険局長通知)において、「国際化の進展等の観点から、日本に居住する外国人については、その国籍にかかわりなく・・・国民健康保険を適用することとしたものである」と示しているところであり、我が国の医療保険制度については、社会連帯と相互扶助の理念等に基づき、国籍のいかんを問わず等しく保障を及ぼすべきであるという我が国の社会保険制度の基本的な考え方に基づいて運用してきたところである。

六について
  
 我が国の国民健康保険制度については、国民健康保険法第五条の規定に基づき、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の適用対象となれば、原則として国民健康保険の被保険者としているところ、御指摘の「外国人」については、五について及び先の答弁書(令和六年十二月二十四日内閣衆質二一六第六六号)三についてで述べた「社会連帯と相互扶助の理念等に基づき、国籍のいかんを問わず等しく保障を及ぼすべきであるという我が国の社会保険制度の基本的な考え方」の下、同法第三十条の四十五の規定に基づき「三か月を超える在留期間を有する」ことで当該適用対象となれば、原則として当該被保険者としているものであり、御指摘の「我が国の国民健康保険制度においても制度への加入に際し一年以上の在留期間を要することとし、その間は民間の医療保険等の保険商品で対応する制度」とすることについては、当該考え方に照らし、また、当該「三か月」の見直しに伴う実務上の課題等も踏まえ、慎重な検討が必要であると考えている。

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