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答弁本文情報

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令和七年六月六日受領
答弁第二〇八号

  内閣衆質二一七第二〇八号
  令和七年六月六日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員八幡愛君提出判例の蓄積に依存する声の権利の保護のあり方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員八幡愛君提出判例の蓄積に依存する声の権利の保護のあり方に関する質問に対する答弁書


一について
  
 お尋ねの「政府は前記発言を把握していたか」の趣旨及び「政府全体としての正式な方針に基づくもの」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「発言」については、経済産業省経済産業政策局産業組織課知的財産政策室長が、同室の所掌事務の範囲内において、不正競争防止法(平成五年法律第四十七号。以下「法」という。)を所管する立場から、一般論として、声優等の声に関わる裁判例の動向を注視していくという趣旨で述べたものである。

二、三及び五について
  
 御指摘の「生成AI」による「声優や俳優の声」の「模倣・合成」に関する「制度整備」については、政府として、権利侵害等の状況を踏まえながら必要な検討を行っていく考えであり、例えば、経済産業省において、「知的財産推進計画二〇二四〜イノベーションを創出・促進する知財エコシステムの再構築と「新たなクールジャパン戦略」の推進に向けて〜」(令和六年六月四日知的財産戦略本部決定)を踏まえ、令和七年三月二十五日の産業構造審議会知的財産分科会不正競争防止小委員会において「肖像と声のパブリシティ価値」に関する法における考え方を整理の上、公表したところであり、また、同省及び関係府省庁において、法、関連法令及び裁判例における考え方の整理を行い、その内容の周知を進めていくこととしており、御指摘のように「政府が制度整備を行わず・・・実効的な救済手段を政府が主体的に整備していない」、「法令や指針による明示的整理を行わず、司法判断の集積をもって社会的ルールの形成を期待する」、「制度的整理を前提とせずに司法判断に委ねる」及び「構造的制約やリスクを踏まえず・・・制度整備責任の先送り」をするものとは認識していない。

四について
  
 お尋ねの「キャスティングや契約関係を継続する必要がある立場の表現者」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、御指摘の「権利の侵害」の「実効的な救済手段」の在り方については個別の事案や当事者の状況に応じて異なることから、お尋ねの「訴訟提起は現実的に選びにくい選択肢となり得る」か否かについて一概にお答えすることは困難である。

六について
  
 お尋ねの「個別訴訟の困難性」については、四についてで述べたとおり、御指摘の「権利の侵害」の「実効的な救済手段」の在り方については個別の事案や当事者の状況に応じて異なることから、政府として、これまで、お尋ねの具体的な方策については検討していないが、いずれにせよ、御指摘の「生成AI」による「声優や俳優の声」の「模倣・合成」に関する権利の適切な保護が図られるよう、二、三及び五についてで述べたとおり、政府として、御指摘の「生成AI」による「声優や俳優の声」の「模倣・合成」に関する「制度整備」について、権利侵害等の状況を踏まえながら必要な検討を行っていく考えであり、その検討を行う上で、法、関係法令及び裁判例における考え方の整理を行い、その内容の周知を進めていくこととしている。

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