答弁本文情報
令和七年六月十三日受領答弁第二二三号
内閣衆質二一七第二二三号
令和七年六月十三日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員吉川里奈君提出太陽光パネルの災害リスクと情報提供の不備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員吉川里奈君提出太陽光パネルの災害リスクと情報提供の不備に関する質問に対する答弁書
一、二及び六について
お尋ねの「国民の認知度」及び「全国的な実態調査」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府として、御指摘の「太陽光発電」に関する自然災害に備えるための適切な注意喚起の在り方について、例えば、電気工学等に関する専門的知見を有する学識経験者、消費者を代表する団体の役員、弁護士等から構成される審議会において御議論いただきながら検討を進めているところであり、これを踏まえ、自然災害による太陽光発電設備の破損事故を防止するための保安管理の徹底や破損した太陽光発電設備を見掛けた場合の対応について経済産業省のウェブサイトを通じて太陽光発電設備の設置者等に対して周知を行っているほか、浸水又は破損した太陽光発電設備に接触した場合に感電する危険性について同省のSNSを通じて広く国民に対して周知しており、さらに、夏季の自然災害に備えた電気設備の保安管理の徹底について同省から文書を発出して発電事業者(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十五号に規定する発電事業者をいう。)等に対して周知を行っているところである。引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。
また、お尋ねの「廃棄・買換え」及び「経年劣化後の設備や機器の交換と廃棄の費用」を含む「廃棄費用」については、太陽光発電設備を用いて発電を行う事業者等が負担するものであると考えるところ、「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」(平成二十九年三月資源エネルギー庁策定、令和七年四月改訂。以下「ガイドライン」という。)において、認定事業者(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号。以下「法」という。)第九条第四項の認定を受けた者をいう。以下同じ。)は、再生可能エネルギー発電事業(同条第一項に規定する再生可能エネルギー発電事業をいう。以下同じ。)終了後の認定太陽光発電設備(同条第四項の認定に係る太陽光発電設備をいう。以下同じ。)の撤去及び処分等を確実かつ適切に実施する責任を有し、これに要する費用を確保する必要がある旨を明記し、同省のウェブサイトを通じて周知するとともに、認定事業者に対してガイドラインに従って適切に当該再生可能エネルギー発電事業を行うことを求めているところである。
三から五までについて
お尋ねの「モデルとなる周知文書」及び「災害対応マニュアル」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、住民に対する説明については、法第九条第四項第六号において同項の認定に当たって再生可能エネルギー発電設備の設置の場所の周辺地域の住民に対する再生可能エネルギー発電事業の内容に関する説明会の開催等が規定されているところであり、お尋ねの「教訓」については、一、二及び六についてで述べた審議会において、「災害時における太陽光パネルの安全確保」や「情報提供」を含む太陽光発電設備に関する自然災害に備えるための適切な対応について御議論いただく中で、例えば、住民への情報の伝達、太陽光発電設備の設置者等への連絡の重要性について指摘があったところであり、政府として、現在、こうした意見を踏まえて必要な検討を行っているところである。また、お尋ねの「設置者」を含めた住民への情報提供については、一、二及び六についてで述べたとおり、経済産業省のウェブサイト等を通じて広く周知をするなどしている。引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。
七について
お尋ねの「制度の対象外となる小規模・個人設置者による設備廃棄費用が国民負担」及び「積立制度の強化や対象範囲の拡大」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一、二及び六についてで述べたとおり、政府としては、ガイドラインにおいて、認定事業者は、再生可能エネルギー発電事業終了後の認定太陽光発電設備の撤去及び処分等を確実かつ適切に実施する責任を有し、これに要する費用を確保する必要がある旨を明記し、経済産業省のウェブサイトを通じて周知するとともに、認定事業者に対してガイドラインに従って適切に当該再生可能エネルギー発電事業を行うことを求めているところである。また、出力が十キロワット未満の認定太陽光発電設備については、一般的には住宅に設置されており、当該住宅の解体に伴い当該認定太陽光発電設備も撤去及び処分等されることが見込まれること等から、原則として、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法第十五条の十二第一項に規定する積立対象区分等を指定する件(令和四年経済産業省告示第六十九号)において、法に基づく廃棄等費用積立制度の対象とはしていない。