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令和七年六月二十七日受領
答弁第三三六号

  内閣衆質二一七第三三六号
  令和七年六月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員杉村慎治君提出いわゆるステルス値上げの実態把握及び制度的対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員杉村慎治君提出いわゆるステルス値上げの実態把握及び制度的対応に関する質問に対する答弁書


一の1について
  
 お尋ねの「どの程度正確に補捉されている」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、消費者物価指数の作成に当たっては、特定の商品について、その価格の変動がなくとも、当該商品の容量の減少があった場合においては、その内容の変化を同指数に反映している。
 また、お尋ねの「生活者の実感との差異」の具体的な内容が明らかではないため、その「評価」についてお答えすることは困難である。

一の2について
  
 お尋ねの「補正手法の技術的限界と生活実感との齟齬」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、消費者物価指数は、特定の商品について、その容量や重量が変更された場合は、その内容の変化が指数に反映されるよう、国際基準に基づいて、御指摘の「品質調整」を適切に行っている。

一の3について
  
 消費者物価指数の作成に用いる品目の改廃や銘柄の選定に当たっては、同指数の精度の向上、家計消費支出上の重要度、価格調査のしやすさなどを総合的に勘案して行っている。
 また、お尋ねの「連鎖基準指数」については、消費者物価指数では、昭和五十一年九月に定めた「千九百七十五年(昭和五十年)基準」から、「ラスパイレス連鎖基準方式」による指数を算出し、公表している。

一の4について
  
 お尋ねの「企業物価指数の上昇と、容量減少等のステルス値上げを含めたCPI上昇率との差異が拡大している」の趣旨が必ずしも明らかではないが、企業物価指数は企業間で取引される財を対象としているのに対して、消費者物価指数は世帯が購入する財及びサービスを対象としているため、両者の動きは必ずしも一致するとは限らないと認識している。

一の5について
  
 御指摘の「物価安定目標二%」については、日本銀行が自ら決定したものであり、その達成に関する責任は、一義的には同行にあることを踏まえ、お尋ねについて、政府としてお答えすることは差し控えたい。
 なお、お尋ねの「生活者に説明責任を果たす」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「容量減少等による実質値上げ分と純粋な価格改定分を分離し」については、消費者物価指数は、同質の商品の価格動向から作成されるべきものであり、容量や重量の減少による「実質値上げ分」は物価の変動として消費者物価指数に含まれていることから、御指摘のように「純粋な価格改定分を分離」することは困難である。

二の1について
  
 御指摘の「SNS投稿」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「物価モニター調査」については、政策として、当該調査の結果を消費者等へ速やかに情報提供することを目的としたものであり、全国四十七都道府県の物価モニターに対し、物価動向についての意識等を調査し、その動向を正確・迅速に把握した上で、平成三十年七月及び令和四年一月に実施した調査結果を公表したものである。

二の2について
  
 御指摘の「購買行動や心理的影響に関する調査」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、内閣府の消費動向調査においては、今後の暮らし向きの見通し等についての消費者の意識を把握することを目的とした調査を行っており、また、消費者庁の物価モニター調査においては、物価動向についての意識等を把握することを目的とした調査を行った実績がある。なお、内閣府及び消費者庁では、御指摘の「ステルス値上げが家計負担に及ぼす影響を把握する調査」を行う予定はない。

二の3について
  
 お尋ねの「単位価格」及び「内容量変化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、総務省の家計調査においては、世帯における支出品目や支出額とともに購入している数量を調査している。また、同省の全国消費実態調査は全国家計構造調査に名称を変更しているところ、同調査においては、世帯における支出品目や支出額を調査しているが、購入している数量は調査していない。

三の1について
  
 お尋ねの「企業が量目変更を行う際、表示を求めるガイドライン」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に、これが商品の容量や重量を変更した場合にその旨の表示を求めるガイドラインを意味するものであるとすれば、そのようなガイドラインについては承知していないため、お尋ねの「整備状況」及び「実効性確保のための監視・指導体制」の評価についてお答えすることは困難である。

三の2について
  
 お尋ねの「内容量変更時の店頭単位価格表示義務を含む法制化」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

三の3について
  
 お尋ねの「量目変更を明示して適正表示に取り組む事業者を評価する優良表示認定制度等、インセンティブ導入」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、容量や重量の変更を明示するかどうかは事業者の判断に委ねられるものであり、現時点において、容量や重量の変更を明示した事業者を評価するような制度の導入は検討していない。

三の4について
  
 御指摘の「量目変更」を「消費者が容易に取得できる仕組み」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、一般用加工食品については、食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)第三条第一項の表の「内容量又は固形量及び内容総量」の項の1において「特定商品の販売に係る計量に関する政令(平成五年政令第二百四十九号)第五条に掲げる特定商品については、計量法(平成四年法律第五十一号)の規定により表示することとし、それ以外の食品にあっては内容重量、内容体積又は内容数量を表示すること」と規定されている。
 また、お尋ねの「令和四年一月十九日の消費者庁長官会見」において、食品に限らない商品全般に係る御指摘の「ステルス値上げ」に関連した単位ごとの価格表示の導入に関する消費者庁の今後の検討の有無についての記者からの質問に対し、伊藤消費者庁長官(当時)から、「より分かりやすい表示にしてほしいというお話は、価格の話に限らずあるというふうに思っております。そうした観点から、食品表示に関するアプリの議論などもさせていただいているところです。要は、狭いスペースの中でどの程度のことが書けるかという限界がある中で、一方で、もっと知りたいとか、自分に合った形での情報を分かりやすく手に入れたいということがあり、価格についてもその一環ではないかと思っております。まだ表示についての価格の話までは、あのアプリの議論ではしていないのですが、今の御指摘なども踏まえて、今後、デジタルとリアルを融合した格好での表示の議論、あるいは情報伝達の議論をするに当たって、そういった問題についてもどういうふうに取り組んでいくかということを議論してみたいと思います。」と述べたとおり、この発言は、食品表示に単位ごとの価格表示の導入を検討する趣旨の発言ではなく、令和二年度に実施した「アプリケーションを活用した食品表示実証調査事業」等においては、御指摘の「単位価格情報を消費者が容易に取得できる仕組み」について検討していない。

四の1について
  
 お尋ねの「量目変更を秘匿したまま販売を継続する行為」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号。以下「景品表示法」という。)第五条は、事業者が、自己の供給する商品又は役務の取引について、同条各号のいずれかに該当する表示を行うことを禁止しており、このうち、同条第二号では「商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」と規定されているところ、事業者が当該表示をした場合は、同条に違反することとなる。

四の2について
  
 お尋ねの「量目変更表示の適正化を推進するためのいわゆる共同タスクフォースを設置し、企業への監視・指導、違反時の公表措置等を行う」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

四の3について
  
 お尋ねの「量目・内容変更表示に関する調査又は指導事例」の具体的に意味するところが明らかではないが、いずれにせよ、例えば、景品表示法に係る調査又は指導事例の件数等の詳細については、これを明らかにすることにより、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

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