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令和八年七月十日受領
答弁第二二号

  内閣衆質二二一第二二号
  令和八年七月十日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 森 英介 殿

衆議院議員山本ジョージ君提出筋痛性脳脊髄炎等の難病患者および新型コロナウイルス感染症後遺症患者に対する障害福祉サービスの適切な提供並びに障害認定の適正化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山本ジョージ君提出筋痛性脳脊髄炎等の難病患者および新型コロナウイルス感染症後遺症患者に対する障害福祉サービスの適切な提供並びに障害認定の適正化に関する質問に対する答弁書


一の前段について

 お尋ねのような「事例」は具体的には承知していないが、いずれにせよ、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十五条第四項及び別表に基づき、都道府県等は、日常生活に著しい制限を受ける程度であると認められ、かつ永続する障害を有する者に対して、その程度に応じた障害の認定を行い、身体障害者手帳を交付することとされているところ、御指摘の「ME/CFS、線維筋痛症、およびコロナ後遺症」(以下「ME/CFS等」という。)は、いまだその発病の機構が不明であり、症状の個人差も大きく客観的な指標を用いた診断基準が確立されていないため、当該認定を行う場合に当たっては、当該程度に係る判断が容易ではないと承知している。

一の後段について

 お尋ねについては、厚生労働省においては、例えば、令和四年度から令和六年度までの厚生労働科学研究費補助金による障害者政策総合研究事業「「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」(ME/CFS)の実態調査および客観的診断法の確立に関する研究」や、令和七年度同補助金による同事業「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の病態解明と客観的診断法確立のための神経免疫学的アプローチ」を実施しているが、現時点では、必要な医学的知見等が十分に蓄積されておらず、御指摘のように「障害者手帳の認定基準および運用の妥当性について検討し、必要な見直しを行う」状況にはないと考えている。

二の前段について

 お尋ねについては、厚生労働省においては、例えば、御指摘の「コロナ後遺症」に関しては、令和六年度厚生労働行政推進調査事業費補助金による「一類感染症等の患者発生時に備えた臨床対応及び行政との連携体制の構築のための研究」において作成された「新型コロナウイルス感染症(COVID−十九)診療の手引き(別冊)罹患後症状のマネジメント(第三・一版)」(以下「手引き」という。)において、「罹患後症状に関する診断書や意見書の記載例」や「症例集」等が記載されているところ、手引きについて、同省のホームページで公表するとともに、「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状にお悩みの方への支援について」(令和七年九月三十日付け感感発〇九三〇第二号厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課長通知)等により、都道府県等を通じて、医療機関等に対し、周知を図っているほか、ME/CFS等に関するものとして、身体障害者手帳の交付申請に必要となる医師の診断書及び意見書の記入例について、同省のホームページで公表するとともに、「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に係る身体障害認定の診断書・意見書例等の周知について(依頼)(その三)」(令和七年六月十六日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課事務連絡)等により、都道府県等を通じて、身体障害者福祉法第十五条第一項の都道府県知事の定める医師に対し周知を図っているところである。

二の後段について

 御指摘のような「実態」は具体的には承知していないが、いずれにせよ、「専門医」において障害認定に係る適切な診断書等の作成がなされるよう、引き続き、二の前段についてで述べたような周知に努めてまいりたい。

三について

 お尋ねのような「事例」は具体的には承知していないが、いずれにせよ、お尋ねに関し、障害福祉サービスの支給決定を受ける場合の対象者は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号。以下「障害者総合支援法」という。)第四条第一項の規定において、「身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者(中略)並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が主務大臣が定める程度である者であって十八歳以上であるもの」とされているところ、身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者は、同条において、「都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう」とされており、また、同項に基づく障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令(平成十八年政令第十号)第一条の規定に基づき定められた「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令第一条に基づきこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める特殊の疾病」(平成二十七年厚生労働省告示第二百九十二号)において、ME/CFS等は「特殊の疾病」として定められていない。したがって、ME/CFS等の患者については、御指摘の「手帳の有無を問わず、心身の障害や難病等により一定の制限がある者」が障害福祉サービスの「対象とされている」わけではないが、一の前段についてで述べたとおり、日常生活に著しい制限を受ける程度であると認められ、かつ永続する障害を有する者に該当する場合には、身体障害者手帳の交付を受け、障害福祉サービスの支給対象になっているところであり、引き続き、障害認定の適切な運用に努めてまいりたい。

四について

 お尋ねに関しては、三についてで述べたとおり、ME/CFS等に関し、障害福祉サービスの支給決定を受ける場合の対象者は、障害者総合支援法に規定する「障害者」であって、障害福祉サービスは当該者に提供されることを前提としているが、「介護給付費等の支給決定等について」(平成十九年三月二十三日付け障発第〇三二三〇〇二号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)により、都道府県等に対し、「介護を行う者(障害児にあっては保護者)の有無、年齢、心身の状況及び就労状況等を勘案して、介護給付費等の支給を決定する。(中略)介護を行う者がいる場合に居宅介護等の介護給付費の支給を行わないという趣旨ではなく、介護給付費の支給に当たっては、介護を行う者の状況に配慮した上で行っていただくよう留意されたい」と示しているところ、例えば、厚生労働省が令和八年三月二十六日に開催した令和七年度障害保健福祉関係主管課長会議において、都道府県等に対し、「障害福祉サービスの支給要否決定は、・・・障害者等の置かれている環境やサービスの利用に関する意向の具体的内容等の事項を勘案して行うこととされて」おり、「これらの勘案事項のうち介護を行う者の状況については、介護を行う者の有無、年齢、心身の状況等を勘案して支給決定すること」及び「同居家族等の有無のみを判断基準として、一律に介護給付費の支給の可否を機械的に判断するのではなく、同居家族等の心身の状況や就労状況等を含め、介護を行う者の状況に配慮した上で行っていただくよう留意されたい」旨を周知しているところであり、今後とも、必要な周知に努めてまいりたい。

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