答弁本文情報
令和八年七月二十四日受領答弁第三三号
内閣衆質二二一第三三号
令和八年七月二十四日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 森 英介 殿
衆議院議員有田芳生君提出戦没者遺骨DNA鑑定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員有田芳生君提出戦没者遺骨DNA鑑定に関する質問に対する答弁書
一について
厚生労働省では、平成十五年度から、戦没者の遺骨の身元を特定して遺族のもとへ遺骨を返還することを目的とし、収集した遺骨からDNA鑑定に必要な検体が採取でき、かつ、遺族から適切な検体が提供された場合に、DNA鑑定を実施してきている。当初は、遺留品や死亡者名簿等の記録資料から戦没者及び遺族が推定できる場合にのみ、当該遺族にDNA鑑定に関する「お知らせ」を送付し、申請を受けてDNA鑑定を実施していたが、遺族が高齢化していることを踏まえ、遺骨の返還をできる限り進めるため、平成二十九年度から順次、試行的に、沖縄や硫黄島など一部の地域において、遺留品や死亡者名簿等の記録資料がない戦没者の遺骨についても、公募により、遺族から申請を受けてDNA鑑定を実施したところ、四柱の遺骨の身元が特定され、遺骨の返還ができたことから、令和三年十月からは、この取組について、同省において検体が採取できたその他の地域にも対象を拡大し、実施しているところである。
二について
お尋ねの「申請件数」については、令和三年度が千百四十八件、令和四年度が八百六十三件、令和五年度が六百五件、令和六年度が五百四十七件、令和七年度が九百七十六件である。お尋ねの「鑑定件数」については、DNA鑑定の「申請」に基づき戦没者と遺族との血縁関係の存否を判定した件数と解すれば、令和三年度が三百八件、令和四年度が八百五十三件、令和五年度が九百九十三件、令和六年度が七百六十六件、令和七年度が九百二件である。また、お尋ねの「DNA鑑定に要した費用」については、その具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、「行政事業レビューの実施等について」(平成二十五年四月五日閣議決定)に基づき作成している行政事業レビューシートにおいて、「遺留品調査等を実施」するとともに、「遺留品等の手掛かり情報」の有無を問わず「戦没者遺骨のDNA鑑定」を実施する等の「遺骨伝達等事業」の「執行額」を示しており、令和三年度が約三億九千万円、令和四年度が約五億四千万円、令和五年度が約四億七千万円、令和六年度が約四億五千万円であり、令和七年度は精査中のため示していないが、いずれにせよ、当該額から、令和三年十月一日からの「遺留品等の手掛かり情報」がない場合の「戦没者遺骨のDNA鑑定」の実施に要した費用のみを抽出することは困難である。
三について
御指摘の「厚生労働省のホームページにある戦没地」が、厚生労働省ホームページの「遺留品等の手掛かり情報がない戦没者遺骨の身元特定のためのDNA鑑定にかかる対象地域拡大と申請手続について(令和三年十月一日から受付を開始しました)」の「一・DNA鑑定の目的」において、「DNA鑑定は戦没者遺骨の一部を検体として採取した下記の地域で実施します」と示している地域を指すのであれば、当該DNA鑑定は、同省において検体が採取できた地域を対象にしており、現時点において、北朝鮮については、検体が採取できていないため、当該DNA鑑定の対象地域とはしていない。
四について
お尋ねについては、日朝間の協議の内容に関わる事柄であり、これを明らかにすることにより、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
五について
御指摘の「一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に関係するご遺族」の範囲が明確ではなく、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、北朝鮮における戦没者の遺骨収集については、令和五年七月二十八日に閣議決定した「戦没者の遺骨収集の推進に関する基本的な計画」及び令和八年三月に厚生労働省が策定した「令和八年度における戦没者の遺骨収集事業実施計画」において、「国交がない地域における戦没者の遺骨収集」として、関係省庁が連携を図りつつ、当該地域との協議の状況等を踏まえて対応することとしているところである。
六について
御指摘の「一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に関係するご遺族」の範囲が明確ではなく、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、「北朝鮮域内」での戦没者に関しては、お尋ねの「相談」は、厚生労働省にあったところではあるが、その内容は様々であることから、記録は作成しておらず、その「件数」をお答えすることは困難であり、また、お尋ねの「DNA鑑定申請」は、同省にあったところ、その「件数」は、令和三年度が零件、令和四年度が一件、令和五年度が零件、令和六年度が零件、令和七年度が二件である。なお、三についてで述べたとおり、現時点において、北朝鮮については、「遺留品等の手掛かり情報がない戦没者遺骨の身元特定のためのDNA鑑定」の対象地域とはしていないことから、当該申請のあった遺族にはその旨を通知している。

