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昭和二十四年三月二十六日提出
質問第一号

 上田纎維専門学校の單科大学昇格に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十四年三月二十六日

提出者  降旗(注)弥  小林(注)美  今村忠助  (注)澤富次(注)

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




上田纎維専門学校の單科大学昇格に関する質問主意書


 わが國は世界屈指の纎維工業國としてつとに定評あり、纎維製品は久しくわが輸出貿易の大宗であつたが、戰後國民経済の再建は特に斯業の振興に俟つべきものが多い。
 然らば、斯業に対する技術的指導の最高学府として、少くとも一箇の理想的纎維綜合大学を設置すべきは、ひとり経済國策上のみならず、新学制実施等の文教的見地より観るも、喫緊の要務でなければならない。
 すでに理想的纎維綜合大学の設置が國家喫緊の要務に属するとすれば、文部省が卒先纎維專門学校を設置したる上田市にこれを設置するが、理論的に妥当なるのみならず、経済的にもしよう徑でなければならない。この故に、長野縣議会は昨春以來、三回にわたつて上田纎維專門学校を單科大学として昇格をせしむべきこと、及びこれがためには長野縣としても一切の便宜を提供すべきことを議決し、本院並びに参議院の文教委員会もまた、第二回國会において、満場一致をもつて同校單科大学昇格の請願を採択したのであつた。しかるに、自來今日に至らざるまで、まさに一箇年に垂んとするにかかわらず、いまだその実現を見るに至らざるは、われわれの諒解に苦しむところである。
 よって、左記四項の質問を提起し、これに対し、文部当局の具体的にして明決なる答弁を要請する。

        左    記

一、文部当局は上田纎維專門学校を單科大学として昇格せしめ、以て理想的纎維綜合大学を設置するの意思ありや否や。もしその意思なしとすれば、その理由如何。
一、われわれの見る所によれば、すでに水産大学、商船大学等の設置が決定せられたる以上、纎維工業國たるわが國として一箇の纎維大学をもたざるべからざるは自明の理に属する。然らば、國立新制大学の発足と同時に、上田纎維專門学校を單科大学として昇格せしむべきは、これまた言を俟たぬところである。文部当局はこの際同校の單科昇格を断行するの意思ありや否や。
  いたづらに問題の解決をせん引して、地元縣民をして陳情請願を繰返えせしむるは、取りも直さず、政治の貧困を意味するものにして、当局の責任重且つ大なりと考えられるが、これに対する文部当局の所見如何。
一、文部事務当局は、該件がいまだ大臣の正式決裁を得ないにもかかわらず、いな、大臣が大臣個人としては、賛意を表し、その実現を希望せられしにもかかわらず、大臣の意向をいささかも顧慮することなく、つとに絶対反対を表明し、敢て讓らざるは、そもそも如何なる権限に基くや。決裁権は大臣にありや、はたまた事務当局にありや。文部事務当局は、民主政治を如何なるものと思惟するや。
一、上田纎維專門学校の單科昇格の可否は、大学設置委員会に附議し、その答申を俟つて、決裁せらるべきものと聞く。
  しかるに、文部事務当局がいまだ同委員会にこれを附議せざる時に当つて絶対反対を表明して憚らざりしは、同委員会を無視したるにあらずんば、その答申の内容を予断したものといわねばならない。文部当局は大学設置委員会を如何なるものと思惟するや。大学設置委員会の性格如何。

 右質問する。





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