衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和二十六年三月二十日提出
質問第七五号

 食糧輸送計画に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十六年三月二十日

提出者  天野公義

          衆議院議長 林 讓治 殿




食糧輸送計画に関する再質問主意書


 昭和二十六年二月二十日提出質問第六八号食糧輸送計画に関する質問主意書に対し、内閣衆質第六八号の答弁書に対し、なお疑問があるので再質問する。
一 質問の第三点は政府輸送を担当する業者は單数か、複数か。すなわち日本通運株式会社一本として契約するか、あるいは各府県に従来食糧配給公団の指定として食糧運送に專念していた食糧輸送(特免会社)会社も政府輸送機関として指定するか否かということである。
  答弁書によると「四月一日以降政府が肩替りして輸送するものは従来公団が行つていた輸送数量の一割たる貨車輸送中の相当部分に過ぎず、その他の輸送は原則的に卸業者自体の輸送となる見込であるから従来の食糧運送会社の業務圧迫の恐れはない。」とある。一方昭和二十六年二月二十日衆議院予算委員会における島村農林政務次官の本員に対する答弁によれば「政府のプールの持つて行く場所を貨車レールのある駅まで持つて行つて、そうしてそれから卸機関に渡す、その間の仕事は政府自らがやりますがうんぬん。」とされている。ここで貨車輸送の場合は日通一本でもよいのであるが、貨車から卸機関まで輸送する責任を政府は持つことになると思うが、この点は如何。
  次に従来の食糧の売却は、公団都道府県支局に対しては都道府県内在庫において売却したので、県内輸送は食糧運送会社が担当したものであつた。しかるに今回の措置は県内産の米も県内数個の卸業者がそれぞれの便利のため売却倉庫を指定する関係上、その輸送は県内産の米といえども政府輸送の面が現れるのである。又大消費地といえども同様の事例が起るのであつて、例えば、東京を例にとれば、東京の食糧は大量の保管を要する関係上、その大部分は一応深川方面に保管することは当然であり、太田区、世田谷区、杉並区等山手地域に対しては大量を保管する倉庫が少いため、その消費量に応じて政府は下町の保管倉庫より消費地卸業者の指定する倉庫までの輸送責任がある。この保管倉庫より消費者へ売却する倉庫までの運送は地方の食糧運送会社が従来取扱つたものであり、しかも生命線となつているものである。答弁書によれば、
  「従来の食糧運送会社の業務圧迫の恐れはない。」
 とあるところを見れば、かかる機構改革に伴う新たな政府輸送の増加部分は従来通り食糧運送会社が担当するものと了解してよいと思うが如何。
  又かかる面において政府が業務圧迫をせず、食糧運送会社に従来通りの業務をさせるならば、本員の予算委員会におけるこの点に関する
  「実態面に即して食糧庁といたしましては政府輸送を二本建として行くことがいいと私は考えるのでありますが、この点についての御見解を伺いたい。」
  との質問に対し島村政務次官は
  「ただいまのお尋ねの点は従来通り日通單独でなくて、二本建でやるという考え方で進んでおります。」
 という答弁の如く、政府は日通一本契約でなく二本建契約ということにならざるを得ないわけである。この点答弁書は明確でないので島村政務次官の答弁の通りと了承してよいと思うが如何。
  又答弁書に盡されぬ点は島村政務次官の答弁通り承知してさしつかえないか、伺いたい。
二 第四の点において答弁書には入札うんぬんの答弁があつたが、この点も疑義があるので再確認したい。
  前述予算委員会における本員の
  「運賃は安い方がいいのだ、安い方がいいのだから輸送については入札制度をとつてどんどんやればいいというような御意見も事務当局の中にはときどき聞かれるのでありますが、これはあるいは食糧の運賃が市場価格よりも上まわつている場合はそれでもいいかも知れませんが、運賃が市場価格よりも下まわつた場合にはその輸送業者は投げてしまうというような場合も考えられるのでありまして、食糧の輸送のように非常に安定を持たせる必要のあるものには、ぜひともある程度業者に安定性を持たせて、それによつて食糧を確実に確保し、輸送して行くということが必要だろうと考えられるのであります。この点について、政府としては無責任な入札制度というようなものをとることなく、合理的な計算に基いた運賃プールの方式をぜひとも堅持していただきたいうんぬん。」
  の質問に対し島村政務次官は
  「御希望の通りに入札等のことは現在としては考えておらないのでありまして、従来と同じような形において輸送の円滑を期して行きたいと存じております。」
  との答弁と若干喰い違いがあるように考えられる。この食糧の輸送、特に政府輸送のプール段階においては島村政務次官の答弁の通りと了解してさしつかえないか伺いたい。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.