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昭和二十七年十二月十九日提出質問第一六号
青年教育振興に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十七年十二月十九日
提出者 中曾根康弘
衆議院議長 大野※(注)睦 殿
青年教育振興に関する質問主意書
戦後の混迷から立直つた青年は、自らの手によりあるいは町村の援助にすがり、青年講座、青年学級等を経営し、文化国家、平和国家の一員として自らを磨き、社会に貢献しようと涙ぐましい努力を続け、今や全国各地において勤労青少年のための教育講座が展開されております。
この青年学級、青年講座こそは真に時間と経済の余裕に乏しい青年達が、その生活と産業に則する教養、技術を求むるやむにやまれぬ熱意によつて自然発生的に生まれたものでありますが、今や全国各地に設置され、その数約一万学級で約百万人の受講生を持つておりますが、せつかくもり上つた青年学級に共通する悩みは、経費の貧困であり、町村財政のひつ迫からその存続が危たいにひんしております。
政府は、昭和二十七年度予算において青年学級に対するものとして僅かに約五百万円を計上しているに過ぎない。この助成金を一学級当りとすれば五百円であり、一人当り五円という僅少な額であつて、これを国立大学学生一人当り国費負担額十三万七千余円と比較すると余りにも差が大きい。
この際、政府においては勤労青少年教育の重要性にかんがみ、現在貧しい予算と乏しい施設に悩む青年学級振興のため、青年学級運営費の半額補助、学級数の倍加のために大幅なる国費の支出を可能ならしめる強力な財政的措置をなす必要がある。
今般文部省において青年教育なかんずく勤労青年教育振興のために昭和二十八年度には青年学級補助その他の経費として約十三億円の予算を計上しこれが実現に努力している由であるが、当然のことであると思う。
本件に関する大蔵省及び政府の所信如何。
右質問する。