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昭和二十八年六月十日提出質問第一二号
北千住駅改築に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十八年六月十日
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
北千住駅改築に関する質問主意書
足立区の表玄関である北千住駅は、明治二十九年当時東京府南足立郡千住町時代の遺物で、その後大正十三年現在の駅に改築されたものである。本区は昭和十八年都制施行以来発展し、本駅の乗降客も激増して来たのであるが、ことに省線の開通と戦災によつて家を失つた人々が都心より東武沿線に住居を求めるに及んで同線の利用者も急激に増加し、現在においては東武北千住駅から国鉄に乗り換えるもの八万を数え、これに北千住駅の乗降客六万を加えると、駅の一日の利用者は実に十四万人を数える現状である。
しかしながら現在のホーム、道路の狭あい等構内すべての施設が不完全なため、朝夕の混雑は言語に絶し、ことに雨天の場合においては乗降客の苦痛ばかりでなく、幾多の傷害者を見つつあることは、まことに忍びざるものである。
なお、本駅の建設によつて千住町は東西に両断されたが、この両地点を結ぶ交通路については建設当時なんら考慮をなされなかつた関係上、ガード等の交通施設はなく、わずかに駅より四百メートル先のガード若しくは三百五十メートル先の踏切によつて交通を保持されているのみである。この踏切は貨車の入替え、汽車、電車の通過等により一日昼間のしや断回数三百三回を数え、長きは十八分のしや断時間を要し、一日昼間のしや断時間延べ八時間余を費す現状であり、まことに時間的に活動する都市生活と全くかけ離れた状態におかれている。従つて急を要する場合、あるいは雨天等の場合はわざわざ入場券を求めて駅構内を通行して用を弁ずるという場合も生ずるわけで、この入場券一日の発売数は平日一千枚、日曜祭日は千五百枚に上り、区民の負担は月三十二万円、年間三百八十四万円に達するのである。
右質問する。