質問本文情報
昭和二十八年六月十八日提出質問第一五号
葛生町における磐城セメントの煙害に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十八年六月十八日
提出者 栗田英男
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
葛生町における磐城セメントの煙害に関する質問主意書
栃木県安蘇郡葛生町は、セメントの生産地として名高い鉱都であるが、この町に一歩足を踏み入れると、あたりの山々はもとより屋根、田畑、窓ガラス等およそ露出されたるところは、ことごとくじんあいにまみれて一驚を喫するのであるが、この原因は、磐城セメントの大煙突から吐き出されるばい煙による惨状である。
このばい煙によつて、農繁期における農民の作業能率は下がり、収穫物の品質は低下して実収は減少し、さらに商店に飾られた商品は商品価値を失い、飲食物にも飛込む状態は尊い人命にも、家畜の生命にも影響することはなはだしく、測り知れない被害をこうむつている。加うるに酷暑の夏の日も戸窓を開放して凉を求めることのできない状態にある住民の家庭生活は、到底見るに忍びない。
政府は、この地域の住民が安心して生活できるようこれが煙害を防止し、重要産業の生産地たる葛生町の発展に努力する必要がある。
右質問する。