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昭和二十八年七月七日提出
質問第二二号

 果木栽植に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十八年七月七日

提出者  杉山元治(注)  川俣(注)音  三宅正一

          衆議院議長 堤 康次(注) 殿




果木栽植に関する質問主意書


 わが国は、地理的、気象的条件よりして台風並びに梅雨よりのがれることができない。今年の九州及び西日本における水害は、その顕著なる実例であり、このために日本農業の中心たる米麦はじん大なる被害をこうむり、国家財政並びに農業経営上由々しき問題となつている。これに対処するの道は、米麦農業の欠点、すなわち自然災害にかかりやすいこと、耕地の狭小なること、肥料の収奪の多いこと、労力の偏在すること、栄養分の偏在すること等を是正する以外にない。この意味よりして栗、クルミ、ペカン等の果木栽植は、米麦農業の欠点を是正するのみならず、脂肪とたん白質に富む食糧を供給し、過食の弊をきよう正し、食糧自給の一翼をになうとともに、治山治水の働きをなし、且つ、用材、まき、炭材に豊富な資源を供給し、一石二鳥はおろか、三鳥も四鳥もの働きをなすものである。

 しかるに政府は、前年度予算原案に「特種林産種苗育成補助」のため若干の金額を計上したが、本年度の予算にその片影すらも見ざるは、農林政策の根本義を解せざるものといわねばならぬ。政府は、果木栽植に関しいかなる態度と見解を有するや、あえてその意見を問う次第である。

 右質問する。





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