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昭和二十八年七月十日提出質問第三〇号
江東地区治水根本対策に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十八年七月十日
提出者 天野公義
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
江東地区治水根本対策に関する質問主意書
ここにいう江東地区というのは、隅田川以東荒川放水路に至る間に包まれた江東区、墨田区と江戸川区の一部約千五百万坪の地区を総称する。
同地区は、地層は三十ないし四十五メートルが粘土質であるため軟弱であり、明治以来地盤沈下の傾向がいちじるしく、そのため隅田川沿いの比較的高いところでも毎日の満潮時と同じくらい、荒川放水路沿いでは最干潮面と同じ高さで満潮時と比較すれば二メートルも低い地帯である。しかも今日においても江戸川区平井町方面を中心として地盤沈下の傾向をたどつているのである。
この地帯は、大工場をはじめ中小工場の多いところであつて、首都全工業生産額の二割を占め、今後も発展の予想されているところであるが、右に述べた低地帯、地盤沈下に対する対策が確立せねば今後の発展は到底望み得ないのである。これが対策として考えられるものには
1 外郭堤防の築造。
江東地区を大きく堤防にて囲み、ジエーン台風程度には十分備えること。
2 水門、こう門の築造。
3 地区の盛土。
向島地区城東地区を区画整理し、その際本所、深川地区が行つたごとく盛土をする。
4 改良下水道の完成。
5 不要水路の埋立その他がある。
右質問する。