衆議院

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昭和三十四年一月二十八日提出
質問第二号

 朝鮮問題に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和三十四年一月二十八日

提出者  石野久男

          衆議院議長 加(注)鐐五(注) 殿




朝鮮問題に関する質問主意書


 日本と朝鮮は数千年の昔から経済的に文化的に深い関係を持ち、兄弟的な交流を続けてきている。
 日韓併合によつて日本が朝鮮を統治するという変則的な事態はあつたが、戦後十四年も経た今日、いまだに日朝間に正常な関係が樹立されないことは誠に遺憾なことであり、そしてまた、隣邦朝鮮がいぜん南北の二つにわかれている不幸な姿はわれわれ日本人としても誠に悲しむべきことである。
 しかし、朝鮮問題を真に平和的に解決しようとする朝鮮人民の努力は平和を望む世界諸国民の熱烈な支持と協力を得、その現実的可能性は最近ますます強くなつている。
 しかしながら現在、日本政府が韓国政府との間に進めている日韓会談において、日本政府は韓国を「全朝鮮を代表する正統政権」として李政権との間に国交関係を設定する方向に進んでいるが、それは朝鮮における南北の対立をますます激化し、アジアの平和に重大な脅威を与えるであろうことを深く憂えるものであり、隣邦日本のとるべき道ではないと考える。
 まして、多数の在日朝鮮人帰国希望者の帰国問題や、釜山に抑留されている日本人船員と大村に収容されている朝鮮人の釈放という純然たる人道的問題まで日韓会談と結びつき、いまだに解決をみない現状は誠に遺憾なことであるといわざるを得ない。
 以上の見地に立ち、現在の日韓会談に重大な疑義を持つものである。以上の理由に基き、次の点について政府の見解を伺いたい。

一 日韓会談において日本が李政権を全朝鮮を代表する正統政権としてこれと国交を結ぶことは南北朝鮮の対立を激化し、アジアの平和を破壊する要因になると考えるが、どうか。
二 日本は国際連合においてこれまでしばしば韓国だけの国連加盟の提案国となつている。朝鮮問題において現在もつとも重要なことは朝鮮の平和的統一を達成することであり、韓国だけの国連加盟は朝鮮民主主義人民共和国を無視し、南北の対立を激化する結果を招くと考える。
  いつたい、日本が韓国の国連加盟提案国となり、韓国だけを国連に加盟させようという根拠はどこにあるのか、その理由。
三 現在在日朝鮮人の多数が、朝鮮民主主義人民共和国への帰国を希望し、日本政府に「帰国せしめるよう」訴え続けている。
  在日朝鮮人が日本に在住するに至つた歴史的経緯及び現在の境遇から見て、日本政府はこの帰国問題に対し、暖かい手を差しのべるべきであると考えるが、日本政府はいまだになんらの適切な措置をとろうとしていないが、その理由。
四 釜山に抑留されている日本人と、大村に収容されている朝鮮人の釈放問題がいぜん日韓会談の取引に利用され、いまだに解決をみない現状は、これ以上黙視することはできない。
  釜山の日本人と大村の朝鮮人はなんら交換する筋合いのものではないと考える。すみやかに大村の朝鮮人を釈放し、その自由意思によつて帰国させ、また釜山の日本人釈放の問題を李承晩政府に対し、純然たる人道上の問題として解決するよう強く要求すべきだと考えるが、どうか。
五 日韓会談は即時打切り、朝鮮民主主義人民共和国との間にも経済文化の交流を押し進めることこそ、朝鮮の平和的統一とアジアの平和増進に寄与する道であると考えるが、どうか。

 右質問する。



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