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昭和三十五年十月十八日提出
質問第二号

 伊勢の神宮に奉祀されている御鏡の取扱いに関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和三十五年十月十八日

提出者  濱地文(注)

          衆議院議長 (注)(注)一(注) 殿




伊勢の神宮に奉祀されている御鏡の取扱いに関する質問主意書


 近年伊勢の神宮の制度について、いろいろの議論がある。この問題は、国民精神上重要な問題であるが、憲法との関係からして、あるいは一般宗教との関係からして、複雑な問題もあり、その結論を得るのには慎重な研究を要すると思う。しかしながら、世上この問題に関連して、伊勢の神宮に奉祀されてある御鏡(ヤタノカガミ)が、天皇の御鏡であるかそれとも宗教法人のものであるかというような議論もあるが、このような問題を、いつまでも不確実あいまいのままに放任していることはよくない。これは国民良識上明らかなことで、伊勢の御鏡は、皇祖から皇位継承者たる皇孫に授けられたものであつて、皇室経済法第七条にいわゆる「皇位とともに伝わるべき由緒ある物は、皇位とともに、皇嗣が、これを受ける。」とあるように、日本国の天皇の御位と不可分の関係にあるものと信ぜられる。政府は、この点について、いかに解釈しているか。
 第二、この御鏡について、それが天皇の御鏡であるとの解釈が正しいとすれば、神宮はこれを自ら所有しているのでなくお預りして奉祀しているものと解せねばならない。だがこの「お預りする」ということは、法律的にはいかなる関係と解すべきであるか。これを「寄託」と解する学説があると聞くが、政府ではこれをいかに解釈しているか。
 第三、皇室と神宮との関係を法律的に寄託と解するにせよ、その他の法律的概念によつて解釈するにせよ、要するに神宮としては天皇の御鏡をお預りしていることには間違いないと思う。
 この天皇の御鏡を保全するには最も慎重厳格なるを要することはいうまでもない。これは歴史的伝統によつて、神宮当局がお預りしているものと思われるが、そのお預りしている神宮当局の関係者に質してみても、御鏡の法的性格については、確実な解釈が定まつていないようである。これでは、今のような時代には、心もとないと思われるので、宮内当局としては、御鏡をお預りしている神宮当局者に対して、心得なり条件なりを明示しておくべきだと思うが、政府はその点についていかに考えているか承りたい。

 右質問する。





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