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昭和三十六年六月六日提出
質問第二二号

 和歌山県白浜町における自動車専用道路問題等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和三十六年六月六日

提出者  田中織之(注)

          衆議院議長 (注)(注)一(注) 殿




和歌山県白浜町における自動車専用道路問題等に関する質問主意書


一 和歌山県白浜町(町長南和七)は、同町内に本社を有する明光バス株式会社(社長小竹林二)の所有する専用自動車道(昭和十一年三月三日鉄道大臣認可)を昭和三十一年十月十四日、町長専決処分をもつて町に接収する旨を明光バス株式会社に通告した。同年十月二十六日町議会は町長のなした専決処分を承認し、さらに同年十一月十四日町議会は町道に認定した。白浜町はこれを告示し、明光バス株式会社と紛争の後、昭和三十二年七月十六日供用開始の告示をなした。
  よつて次の点につき質問する。
 1 鉄道大臣認可による専用自動車道を道路法に基づいて地方自治体が町道に認定する権限があるかどうか。

二 右に関し、明光バス株式会社は、昭和三十二年七月十五日、和歌山地方裁判所に対し「専用自動車道占有妨害禁止仮処分命令申請」を提起し、同年十二月二十三日和歌山地方裁判所は、「町より三千万円の保証金を立てることを条件として明光バス株式会社の占有を取消す」との判決があり、町及び明光バス株式会社の双方はそれぞれ異議の控訴をなした。昭和三十六年三月三十日大阪高等裁判所は、「町が三千万円供託すれば明光バス株式会社の占有を取消すうんぬんという和歌山地方裁判所の判決は取消す。明光バス株式会社が二百万円を供託した仮処分決定はこれを認可する。町の控訴は棄却する。」旨の判決をなした。
  よつて、次の点につき質問する。
 1 大阪高等裁判所の判決によつて、町が敗訴したが訴訟費用その他自治体に及ぼした財政的損害に対する責任の所在について。

三 さらに、町は専用自道車道の一部道路敷は町有地であることを理由に明光バス株式会社に町有地返還の訴訟を提起することを議会において決定した。
  よつて、次の諸点につき質問する。
 1 運輸大臣の認可による専用自動車道の一部に町有地があることを理由に借用期限があるにかかわらず返還を求めるという行政措置は妥当であるか。また地方自治体としてその権限があるかどうか。
 2 前各項のように専用自動車道を中心として紛争を繰り返えすことは自治体として好ましいことではないと思うが、これに対し、自治省が円満な町政運営について助言又は指導する方策があるかどうか。

 右質問する。





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