衆議院

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昭和四十五年二月十三日提出
質問第一号

 チクロ使用禁止に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十五年二月十三日

提出者  横山利秋

          衆議院議長 (注)田 中 殿




チクロ使用禁止に関する質問主意書


 昨年暮、政府は人工甘味料チクロ(サイクラミン酸ナトリウム、サイクラミン酸カルシウム)の食品添加物としての使用、販売等を禁止した。同時に現に存する食品、すなわちサイクラミン酸塩を含有している食品は一定の回収期間を受けながらも全面廃棄を指示した。
 このことは、関連業界団体四十有余傘下業者、特に圧倒的に多い中小企業に大混乱と大損失をまねいた。この際、次の諸点について政府の対策を明らかにされたい。

一 食品行政について
  今日まで人工甘味料チクロは食品衛生法及び同法施行規則に長年にわたり使用をみとめられてきており、このことは、政府が国民に対し無害保証の責任を負つていたと考えるべきであろう。
  しかるに米国において十月その使用が禁止されるや突如として十一月十一日以降わずかの猶予期間をおいて全面禁止し更に米国が緩和措置をするとひよう変して突如一月十四日厚生省令を改正し一部食品のみ延期措置をとつた。
  このために関連業界は大混乱におちいり、かつ、大損害をうけた。のみならずかかる政府の朝令暮改の陰に黒い陰があると疑惑が関係筋の中でひろがりつつある。
  食品行政に対する信頼感は一挙に失墜したといわなければならない。今後かかることのないようにするために、
  (イ) 食品添加物の国内試験機関を充実し自主的な体勢をととのえ、
  (ロ) 禁止、制限措置をとるまでに関係団体を含め事前に充分な研究審査を行ない、
  (ハ) 特別な場合を除き準備機関を設け、企業対策についても関係各省とも協議決定のうえ措置すべきではないか。
二 関連食品業界に対する金融について
  出荷の激減、回収、大量在庫、今後の措置を含め業界が直面した事態は深刻である。当面の必要な運転資金の確保について政府のとつた措置はきわめて具体性を欠きなんらの実効をあげていない。
  (イ) 政府関係金融機関(農林中央金庫、商工中央金庫、中小企業金融公庫、国民金融公庫等)は特別ワク、長期低利等の特別措置を定めて融資すべきではないか。
  (ロ) この際設備の改新、業種の転換、廃業等をする企業についても、前項と同様特別措置をすべきではないか。
三 一連の措置に伴う税制上の問題について
  次の諸点について、政府の具体的な対策を明らかにされたい。
  (イ) 製品在庫及び返品などを含む包装材料等の廃棄による損失の損金扱い
  (ロ) 回収費用、回収運賃などの損金扱い
  (ハ) 設備更新する場合の特別償却
  (ニ) その他、今回の措置による損失についての配慮
  これらについて税務申告時期を控え、いかなる税制及び税務行政上の措置をとつたか。
四 損失に対する政府の補償について
  今回関係業界のうけた損害はばく大なものであるといわれている。この損害について、チクロを法規上無害とみとめていた政府が突如として禁止したという政策上、行政上の責任は免がれることはできないと考える。
  米作規制により行なわれた農家の損失について、充分ではないが行なわれる実質的な補償政策と比較するとき、
  (イ) 政府は関係業界がうけた損失額をどの程度と推定しているか、業界ごとにききたい。
  (ロ) 右について補償をする意思があるかどうか。
  (ハ) 一部の業界が行政不服審査法によつて十二月二十六日厚生大臣宛不服申立をしたことについて今日にいたるも措置をしていないようであるが、その処置を明らかにされたい。
五 消費者に対する適切な啓もうについて
  突如として行なわれた今回の措置は消費者に対し場合によつては不必要な警戒心を生ましめ科学的判断を阻害している。
  (イ) 一部の食品延期措置について、米国では延期していないのに日本では、一たん禁止したものを突然再延期したその理由をみるに当初禁止措置をとつたときに当然わかつていたと思われる事柄である。それにもかかわらず再延期した理由は何か。
  (ロ) 有害とされた商品の廃棄処分は量、場所によつては重大であることを指示しているのかを明らかにすべきではないか。
六 代替甘味材に伴う砂糖行政について
  チクロの製造使用禁止は必然的に、砂糖使用になる。しかし国際的にみて高水準の砂糖使用はすでに食品価格の値上りや商品の品質形状の低下をもたらしている。
  (イ) この際過去に一部に行なわれたように加工食品の原料砂糖には砂糖消費税の免税措置をすることはどうか。
  (ロ) また、一般物価対策からも砂糖行政についての対策についてどう考えるか明らかにされたい。

 右質問する。



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