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昭和四十六年三月十日提出
質問第三号

 日本住宅パネル工業協同組合の運営に対する厳正なる監督及び中小企業者のプレハブ住宅内装工事における官公需の受注機会の均等化の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十六年三月十日

提出者  春日一幸

          衆議院議長 (注)田 中 殿




日本住宅パネル工業協同組合の運営に対する厳正なる監督及び中小企業者のプレハブ住宅内装工事における官公需の受注機会の均等化の推進に関する質問主意書


 日本住宅パネル工業協同組合(以下「パネ協」という。)の運営は、中小企業等協同組合法に定める加入自由、相互扶助、直接奉仕という協同組合の諸原則に違背し、著しく不当であると考えられる。また、公営住宅並びに公団住宅発注機関等は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律を不当に運用し、特にプレハブ住宅における内装工事の取引分野においてパネ協の独占的受注を助長していると考えられる。
 よつて、わが国政にあやまちなきを期するため、次の諸事項につき、政府の明確なる見解を示されたい。

一 パネ協の加入自由の原則違背について
  協同組合は、任意に加入できることが原則とされているから、出資一口の金額は、組合員たる資格を有する者が通常負担できる程度でなければならないと考える。
  しかるに、パネ協は、組合員たる資格を有する者が加入しようとする場合には、出資金百八十万円、加入金二百万円、合計三百八十万円を払い込まなければならないものとし、加入に当たり相当高額の負担を必要とすることにより、事実上有資格者の加入を困難ならしめている。
  かくのごときは、加入自由の原則に違背する著しく不当なる運営というべく、政府は、直ちにこれに対する必要な是正措置をとるべきものと考えるがどうか。
二 パネ協の相互扶助、直接奉仕の原則違背について
  協同組合は、組合員の相互扶助をもつてその組織原理とし、かつ、その行なう事業によつて組合員に対し直接奉仕することをもつてその運営原則とするものであり、従つて組合自体の利益を図るがごときは、本来の目的とするところではない。
  しかるに、パネ協は、その組合の経費に充当するためと称し、組合員からその仕切り価格の平均七パーセントを販売手数料として徴収し、これが今や相当の組合資産を形成するに至つている。
  ここに、協同組合における相互扶助、直接奉仕の目的を達成するためには、組合員の組合事業の利用については、実費主義が採用されねばならぬはずであり、よつて、配当可能な剰余金を生じたときには、原則として第一義的にこれを各組合員に対し、その事業利用分量に応じて配当すべきものであり、また、その剰余金が過大に発生する場合においては、その組合員より組合が徴収する手数料等を軽減するのが至当と考える。
  これらの諸点につき、パネ協の昭和四十四年度決算報告書等によると、次のような事実が明らかにされている。
 (1) 自己資本利益率が二十二・八パーセントとなり、これは必要以上の水準である。
 (2) 役員及び幹部職員の給与(給料、賞与等)及び交際費が中小企業における一般的水準に照らし、比較的に上回つている。
 (3) 剰余金処分は、剰余金に対し法定利益準備積立が十三・五パーセント強、特別積立金積立が十三・五パーセント強、法定繰越金が六・七パーセント強、出資配当金が三十一パーセント弱(出資金の年一割)、役員賞与引当金が九・六パーセント強、次期繰越利益剰余金が二十五・八パーセント強となつており、この剰余金処分から見ると、これは組合そのものを主体とする営利主義的色彩がきわめて濃い。
  以上のような事実は、パネ協が、組合員から多額の利用料等を徴収し、組合員の利益よりも組合の営利を目的としている傾向が濃厚であつて、これは株式会社と同様に組合自体の利益を図ることを主眼として運営されていることを示す証左である。
  かくのごときは、相互扶助、直接奉仕の原理原則に違背する著しく不当なる運営というべく、よつて政府は、中小企業等協同組合法の精神にのつとり、これらの諸点に対し、直ちに必要な是正措置をとるべきではないかと考えるがどうか。
三 パネ協の官公需受注の独占化について
  官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律に基づき、広く中小企業者の受注機会の増大を図るために、政府は、昭和四十五年七月三十一日閣議決定により、国等の契約の方針として、銘柄指定の廃止、分割発注の推進等中小企業官公需確保対策についてその基準を設定している。
  しかるに、公営住宅、日本住宅公団関係のプレハブ住宅内装工事における官公需発注の場合には、右の銘柄指定の廃止等の閣議決定にそむき、仕様書で「パネ協の製品または同等品」であることを指示するほか、パネ協を特別扱いしてこのように資力豊富なパネ協に対し研究名目の下に国庫補助金百八十万円を交付したり、日本住宅公団、通商産業省、政府関係金融機関及び都道府県建築関係職員等をパネ協の役員及び幹部職員に天下りさせてパネ協とこれにかかわる官公需発注機関との間に癒着関係を生じさせている疑いがある。
  現にその結果として、昭和四十五年度の実績において、パネ協の組合員である四十五社だけが、多数の同業者を抜いて全国を組合の地区とするパネ協の名により、公営住宅、日本住宅公団のプレハブ住宅内装工事においてその発注総額のおおむね八十五パーセント程度を受注するに至つている。
  このように、公営住宅発注機関等は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律を不当に運用し、特にプレハブ住宅部品製造業の取引分野においては、パネ協の受注独占の傾向を助長していると考えられるから、政府は、独禁法並びに関係諸法令の規定とその精神にのつとり、すみやかにこれが排除措置をとるとともに、中小企業者のこの取引分野における官公需受注機会の均等化を推進する措置を講ずべきものと考えるがどうか。

 右質問する。



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