衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和四十八年九月十七日提出
質問第一九号

 養鶏経営安定に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十八年九月十七日

提出者  小沢貞孝

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




養鶏経営安定に関する再質問主意書


 私の先の質問に対する答弁書は、その内容が一部不明確で抽象的であるので、次の事項につき重ねて政府の見解を伺いたい。

一 政府は、昭和四十八年十月以降、配合飼料価格安定基金に新たに特別積立金を設け、畜産農家に対し、トン当たり平均三、〇〇〇円の補てんを行うとしているが、補てんの時期までに積立金が平均トン当たり三、〇〇〇円を補てんするに十分な額に達しない場合においても確実に補てんするのかどうか見解を伺いたい。
二 国内における飼料自給度の向上を図るため、草地開発事業等を推進する一方、稲作からの飼料作物への転換の促進を図つているとのことであるが、これらについてどれだけ実績があるのか具体的に示されたい。
  また、前回質問の生産振興奨励金の交付実施希望の件については答弁がないので再度それを伺いたい。
三 鶏卵生産出荷調整会議の方針に基づき、生産と出荷の調整を行うのを原則としているが、大規模商社養鶏については協力が得られず、各都道府県段階での生産調整や各種指導が非常に困難で、むしろ増羽の傾向にさえある。
  そしてこのことは中小経営を圧迫し、大規模商社経営が益々拡大するという結果になる。各地方自治体では生産調整により、各種制度融資の貸付けが極めて窮屈になり、中小養鶏農家の経営が一段と苦しくなりつつあるなど調整の効果が大であるのだから、調整の困難な大規模な商社養鶏の生産については新規増羽を規制するなど、強力な措置が必要と思う。これに対し国は具体的にどのような生産調整政策を進めようとしているかを明らかにされたい。
四 飼料価格の値上がりに対し政府が補てんを行うことに決定したことは一歩前進と認められるが、その額が少ないことと、人件費その他の諸物価の値上がりをも考慮すると鶏卵安定基金の補てん基準価格が六月の引上げ後でなおキログラム当たり一七三円とされているのは、現状とかけ離れ安すぎる。
  しかも、液卵公社の買上げ基準価格も一七三円と報じられていることから推察すると、生産者の経営安定よりも基金の財政安定に主眼をおいているのではないかと疑わざるを得ない。
  飼料値上がり分の全額補てんが望めない現状から、鶏卵安定基金の補てん基準価格をそれに見合うよう大幅な改訂を速やかに行うべきだと思うがどうか。
五 答弁書によれば、転廃業してゆく養鶏農家に対する見解として「零細経営を中心に戸数減少が続いていることもあつて」と転廃業を認めながらも、「必ずしも明らかでなく」と表現しているのは零細養鶏農家に対する実態把握が不充分であるのみならず、転廃業を促進しようとするのか、現況を維持させようとしているのかさえ明確でない。これについて政府の見解を伺いたい。
  なお、前回六の質問ではこれら現実に転廃業を余儀なくされている養鶏農家に対して国として、転廃業資金を長期間低利で融資する等の措置を講ずべきだとしたが、それに対するなんら回答がなかつたので、長期間とは三十年ぐらいであると解釈の上再度政府の見解を伺いたい。
六 政府としては、今回の配合飼料価格の値上がりの畜産経営に及ぼす影響を緩和するため、畜産農家が購入する配合飼料費の一部につき低利資金の融資措置を購ずるとしているが、これは畜産経営特別資金の融資を指すと解される。この資金は六ヵ月据置、二年償還、年利四分で飼料トン当たり七、〇〇〇円の範囲内で生産農家に貸し出し、飼料値上がり分の繰延べ払いが可能になるよう配慮しているごとく見えるが、貸出しを直接生産者に行い金利まで負担させることは、従来の実情から推察すると生産者の経営を圧迫し、小規模生産農家を転廃業に追いこみ、消費者にまで悪影響を与える結果になることは明らかである。
  更に前回の貸出し率が六〇パーセント前後であつた理由から考えても、本資金をすべての養鶏生産者が公平にその恩恵に浴することができるよう飼料メーカーに融資し、値上がりを繰延べさせ、生産者並びに消費者への影響を最小限にくいとめる努力と指導をすべきだと思うがどうか。
七 卵価安定のための安定基金への積立ては、加入生産者がキログラム当たり一円、契約会員で二六銭を行つているが、近年の低卵価のため、両基金とも充分の補てん財源を保有しているとは考えられない。
  政府は現在の基金積立加入率が三〇パーセント弱の低率である原因が奈辺にあるかを究明し、大規模養鶏商社等を含めての加入促進を図るとともに、国も安定基金に一円程度の積立協力を行い、生産者・消費者対策の両面から積極的な助成措置を講ずべきだと思うがどうか。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.