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答弁本文情報

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昭和四十八年九月二十五日受領
答弁第一九号
(質問の 一九)

  内閣衆質七一第一九号
    昭和四十八年九月二十五日
内閣総理大臣 田中(注)榮

         衆議院議長 前尾繁三郎 殿

衆議院議員小沢貞孝君提出養鶏経営安定に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小沢貞孝君提出養鶏経営安定に関する再質問に対する答弁書



一について

 昭和四十八年十月以降、配合飼料価格安定基金は、新たに特別積立基金を設け、畜産農家に対して、昭和四十八年十月から昭和四十九年三月までトン当たり平均三千円の補てんを行うこととしている。
 また、補てんの時期までの積立金ではなお不足する場合においても、補てん金の交付は確実に行われることとなつており、この不足額については、国において別途検討のうえ措置することとして、現在その措置の内容について検討しているところである。

二について

 昭和四十六年度末までの草地造成改良面積の累計は約三〇八千ヘクタール、稲作転換による飼料作物の作付実績は、昭和四十七年度において約六七千ヘクタールとなつている。
 また、飼料作物に対する生産奨励金については、昭和四十九年度予算編成の段階で検討してまいりたい。

三について

 鶏卵については、近年生産が著しく伸びたのに対し、その消費についてみると、今や世界の最高水準となり、伸び悩んでいる状況にある。
 このような状況の下において、鶏卵の価格の安定を図るためには、需要に見合つた計画的な生産を行うことが必要であるので、毎年度、鶏卵の需要見通しを公表し、この数量の範囲内に各都道府県の生産目標数量が入るよう、鶏卵の生産調整を行つているところである。
 また、鶏卵の生産調整を効果あらしむるため、採卵鶏に関する補助事業や制度資金の融通等に当たつてはこれら生産目標数量との関連を考慮し、慎重な取扱いを行つているところであるが、商社養鶏等主として自己資金により進出するものについては、早期に実態は握に努めることとし、これら商社養鶏等の進出によりあらかじめ定められた生産目標数量をこえるような場合には、国、都道府県をあげて、関係者に対し、行政指導を行う所存である。

四について

 鶏卵価格安定基金の補てん基準価格については、年初来の飼料価格の値上がりによる生産費の上昇等を考慮して、本年六月にキログラム当たり一六三円から一七三円に一〇円の引上げが行われたところであるが、更にこれを引き上げることについては、鶏卵価格が、現在、キログラム当たり二八〇円前後と前年を大幅に上回つており、今後年末にかけて、強含みで推移し、季節的にみて最も高い水準になると考えられることもあり、本年秋以降、昭和四十九年一月以降の補てん基準価格が検討されることとなつているので、その際、九月以降の飼料価格の値上がりも考慮されるべきものと考えている。

五について

 採卵養鶏農家は、比較的飼料価格が安定的に推移していた昭和四十年から昭和四十七年の間においても三、二四三千戸から一、〇五八千戸に減少している。
 これは一方では、大規模化を指向する飼養農家が増加している反面、これを上回つて、小規模階層を中心とした減少が著しいことによるものであるが、このことは、就業機会の拡大等、社会的経済的諸条件の変化に対応して、養鶏農家が規模拡大と、離脱を選択したためと考えられる。
 このような最近の動向をみた場合小規模階層の減少と配合飼料価格の値上がりの間の直接的関連は、現状においては必ずしも明らかでなく、当面転廃業資金を融通することは考えていない。
 なお、当面配合飼料価格の値上がりの畜産経営に及ぼす影響を緩和するための措置を講ずることとしているところである。

六について

 本年春の飼料緊急対策においては、飼料値上げを直接的に軽減する措置として、先ず古々米の安値飼料用放出や麦の配合飼料仕向け量の増加、配合飼料価格安定基金からの補てん等について措置してきたところである。
 一方、以上の措置をもつてしてもなお畜産経営の負担増となる配合飼料価格の値上がり分について、畜産経営に与える影響を緩和するとともに畜産物価格の異常変動を緩和するため畜産経営特別資金の融通を行つてきたところであり、この融資が経営を圧迫し、消費者に悪影響を与えるとは考えていない。
 また、メーカー融資による値上げ分の繰延べの可能性については、その実効の確保等について困難な問題が多いところから畜産農家に対する特別資金の融通措置をとることとしたものである。

七について

 鶏卵については、鶏卵価格が異常に低落し、補てん基準価格を下回つた場合に、鶏卵価格安定基金がその差額を補てんする事業を行つているが、昨年以降、卵価の低落が少なかつたこともあつて全農系及び専門農協系の両基金とも財政的には、ある程度余裕がある状況にある。
 政府としては、鶏卵の生産調整の徹底を図る観点から、採卵鶏に関する補助及び融資については、受益対象者を原則として、両基金のうちいずれかの加入者に限つてこれらを行うこととする等により、両基金への加入を促進しているところである。
 また、国が補てん積立金に対して助成を行うことについては、鶏卵の生産調整を実施中であり、かつ、これを有効に進めるうえで問題であるので、困難と考えている。

 右答弁する。




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