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昭和四十九年一月二十四日提出
質問第七号

 在宅投票制度に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十九年一月二十四日

提出者  横山利秋

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




在宅投票制度に関する質問主意書


 日本国憲法は、「すべて国民は法の下に平等」であるとし、国民の諸権利を保障しているが、中でも政治に参加する権利は基本的な権利として保障し、選挙権を国民固有の権利として認め、成年者による普通選挙を保障している。しかし、実際には選挙の度に投票所の入場券は交付されても在宅重度身体障害者、寝たきり病人、老人、難病等の人たちは、寝たきりで動けないため、その貴重な一票を行使することができないでいる。
 例えば、昭和四十五年の厚生省の調査では、一級障害に該当する身体障害者は全国で約十五万五千人、二級該当者は二十二万五千人だといわれている。そのうち下肢および体幹障害等のため歩行が著しく困難である者は約十万人と推計されている。寝たきり老人(老人福祉法に基づくヘルパー派遣対象者数約三十六万人)をはじめ、全国で疾病、負傷等により現実にはこの貴重な権利を放棄せざるを得ない人たちをも含めると膨大な数に上るものと思われる。
 もともと在宅投票制度については、昭和二十五年の選挙法制定時において採用されていたが、選挙の公正の確保、投票の秘密の保持という点に問題が多く、悪用されやすいということで、昭和二十七年の改正で廃止された経緯がある。その後、国会においてもこの問題が度度論議され、特に昨年の第七十一回国会においては、予算委員会分科会および参議院の委員会においても取り上げられ、政府は幾度も前向きな検討を言明している。また、公職選挙法改正に関する調査特別委員会および本会議において、在宅投票制度復活に関する請願を採択の上内閣に送付すべきものと決している。
 選挙の公正の確保、投票の秘密は、もとより万難を排しても保持されなければならないが、それは代理投票、不在者投票等すべての選挙制度を含めて確保されなければならない問題であつて、疾病、老衰、不具等のため、寝たきりであることをもつて実質的に選挙権の行使を不可能ならしめるようなことは許されない。特に、身体障害者がこれに該当する場合は、疾病、負傷等の一時的な支障の場合と異なり、その権利の永久的はく奪にもひとしく、真にやむを得ざる事由によるものでない限り、選挙権の行使を可能ならしめる方途を講ずる必要がある。
 政府は、本問題について前向きに検討することを国会において約束しているが、近く参議院議員通常選挙も行われる予定であり、早急にこの問題について結論を出す必要があると考えられる。
 よつて、次の事項について質問いたしたい。

一 昭和二十七年公職選挙法の一部を改正する際、在宅投票制度を廃止した事情ならびにそれは今日なお解決し得ない理由であるかどうかについて説明せられたい。また、この事情と現行の不在者投票制度との関係について説明せられたい。
二 在宅投票制度の対象者となる在宅重度身体障害者、寝たきり老人等の数は全国でどのくらいと考えられるか。
三 政府は、国会における言明を履行すべく在宅投票制度を参議院議員通常選挙に際して採用すべきであると思うがどうか。この場合、いかなる方法によつて実行することが適当と思うか。

 右質問する。





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