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昭和四十九年五月八日提出
質問第二八号

 漆に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十九年五月八日

提出者  小沢貞孝

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




漆に関する質問主意書


 漆器類の産地と関連業界における各種漆類の不足と価格の高騰ぶりははなはだしく、業界としてはその打開策に苦慮しているが、国産の現況、輸入の客観的状勢等から見て、当分好転のきざしは認められない。過去における漆の国産量、輸入を含めての需給状況は次のようになる。

過去における漆の国産量、輸入を含めての需給状況

 本表でも分かるとおり、最近の供給総量四百三十八トンは使用希望といわれる五百トンに対し約十五パーセント程不足する。このような状況下において現に発生し又は発生が予想される諸問題の解決は最緊急事である。よつて、次の事項について質問したい。

一 日本の伝統工芸の一つである漆業振興のため、国産と輸入を含めた原料の安定確保のため強力な優遇助成策を早急にとるべきだと思うが、どうか。
二 前掲の表で示されているごとく、国産漆の生産量は減少の一途をたどつている。普通十年生の漆樹一本当たり約〇・二キログラムの採漆が可能といわれているが、日本には山岳地帯を含めて広い林野があるゆえ、国有林、私有林の別なく漆樹の植林を奨励して生産量の増大を図るべきであると思うが、どうか。
  また、そのためには政府の指導のもとに苗木の確保を図ることはもちろんのこと現有の早成樹種の造林の補助わくを拡大し、各都道府県とも歩調をあわせて奨励策をとる考えはないか、政府の指導方針を伺いたい。
三 最近の漆価格の高騰ぶりは著しく、昭和四十八年の年初と年末では四倍近くなつているものを含めて平均二倍以上になつている。これは、小企業が多く手工業を主とするこの業界にとつては存廃につながる大問題である。
  伝統的工芸品産業の振興に関する法律第六条の規定による資金の確保等について、政府は至急対策を講じ、経営基盤の確立を図るべきだと思うが、政府の方針を伺いたい。
四 製漆業界、漆器業界も最近の後継者難には頭を悩ましている。政府は、伝統的工芸品産業の振興に関する法律第三条の規定に基づく振興計画の作成を急がせるとともに、当該産地の近くに後継者育成と技術習得のための産業学校又は指導所を設置し、伝統産業存続育成のための人材確保を図る必要があると思うが、政府の見解を伺いたい。

 右質問する。





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