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答弁本文情報

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昭和四十九年五月十七日受領
答弁第二八号
(質問の 二八)

  内閣衆質七二第二八号
    昭和四十九年五月十七日
内閣総理大臣 田中(注)榮

         衆議院議長 前尾繁三郎 殿

衆議院議員小沢貞孝君提出漆に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小沢貞孝君提出漆に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘のように伝統的工芸品産業の原材料としては漆をはじめ天然のものが多く、これらの原材料の安定確保が重要な問題となつている。
 政府としても、漆等の天然原材料の需給状況等の実態を調査し、長期的観点から伝統的工芸品産業の振興に支障のないよう天然原材料の安定確保を検討してまいりたい。
 その際、今般成立した「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」により設置された伝統的工芸品産業審議会の意見も十分聴いてまいりたい。

二について

 中国産等の生漆がこれまで安価に輸入されたのに伴い、国産生漆の生産は衰退を余儀なくされ、国産生漆の供給量は、総需要量の一パーセント程度となつており、今後、中国産等の輸入の安定的な確保が重要であると考えている。
 漆樹の植栽については、造林補助事業の途も開かれているが、いわゆる漆かぶれの問題があるので一般林業者が造林することは期待できないと考えられる。しかし、漆関係の組合等が積極的に造林する希望があるのであれば、関係都道府県との連携をとりながら漆樹の増殖に努めてまいりたい。

三について

 伝統的工芸品産業を営む企業は、御指摘のとおりそのほとんどが小零細企業であり、資金調達能力は乏しい。
 政府としても、この点にかんがみ、また、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」の規定の趣旨にものつとつて昭和四十九年度から国民金融公庫を中心に低利の特別貸付制度を創設し、資金の供給を円滑ならしめようとしているところである。

四について

(一) 御指摘の「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」第三条の振興計画は、いわゆる産地組合が主体となつて地方公共団体とも協力して作成されるものであるが、政府としても振興計画の作成手順を示す等適切な指導をしてまいりたい。

(二) また、後継者確保育成問題については、政府としても伝統的工芸品産業の振興にとつて、最重要問題の一つと考えており、昭和四十九年度から伝統的工芸品産業に対する後継者確保育成のための研修費の補助等の措置(総額一億二百万円)を講じているところである。

 右答弁する。




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