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昭和四十九年七月二十九日提出質問第一号
大阪国際空港の将来の在り方に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和四十九年七月二十九日
提出者 石井 一
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
大阪国際空港の将来の在り方に関する質問主意書
飛行場周辺の航空機騒音は近年深刻な社会問題となり、特に大阪国際空港においては昭和三十九年のジェット機の乗入れ以来何十万人という周辺住民を悩ましているのは周知の通りである。そのため空港周辺住民はこの問題の抜本的な解決を求めて根強い運動を展開している。そして空港周辺の十一の市からなる大阪空港騒音対策協議会も、住民の福祉を守り、生活環境を保全する立場から国及び関係機関に航空機騒音対策の強化を要望、活動してきた。
その結果、運輸省は昭和四十八年七月同協議会に対し、「大阪国際空港の将来の在り方については関西国際空港の開港時点にこれを撤去することを含めて検討するものとし、検討に際しては地元公共団体の意志を十分尊重する。」ことを回答した。
また、昭和四十九年三月、航空機騒音防止法の改正に伴つて、空港周辺の騒音防止対策を実施するための大阪国際空港周辺整備機構が設立された。今後、同機構においては、大阪、兵庫両知事による大阪国際空港周辺整備計画を基本として、事業を実施していくことになる。同計画においては、「大阪国際空港の騒音問題の抜本的解決には、関西国際空港の建設が必要であり、その建設には現空港の撤去を基本とする。」ことが明記されており、同計画は航空機騒音防止法の規定に基づき国との協議が整つている。
一方、昭和四十六年十月の運輸大臣の諮問以来、約二年十か月にわたつて審議を重ねてきた航空審議会関西国際空港部会は審議を終え、八月には答申がなされると聞いているが答申の中では大阪国際空港の取扱いに関して、廃止を前提とすることが明確となつてきた。
ところが参議院選挙中の六月十八日、田中総理大臣は神戸及び大阪において、現空港は新しい空港ができた後でも必要である旨発言され、関係者の間に強い波紋を生じた。
以上のことから、大阪国際空港の将来の在り方について、関西国際空港の建設とも関連して、
政府の明確なる統一見解を改めて明示されたい。
右質問する。