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昭和四十九年十二月二十七日提出質問第二号
核兵器積載艦船の我が国領海内通過をめぐる政府統一見解に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和四十九年十二月二十七日
提出者 ※(注)崎弥之助
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
核兵器積載艦船の我が国領海内通過をめぐる政府統一見解に関する質問主意書
一 日米安保条約第六条の実施に関する交換公文中、「同軍隊の装備における重要な変更」について次の点に関する政府見解を明らかにされたい。
1 「装備の重要な変更」として事前協議の対象となる「同軍隊」とは、交換公文の文脈上、前段の「日本国へ配置deploymentされた合衆国軍隊」に限られるのではないか。
米国政府もそのように解釈しているのではないか。
2 日本に配置された米国軍隊のほかに、もし領海、領空一時通過、あるいは一時寄港、着陸の米国艦船、軍用機までも含めて、その「装備の重要な変更」が事前協議の対象になるという解釈ならば、この交換公文に関する限り、文脈上その解釈の根拠はどの文言に求めるべきか。
また、もしそのような解釈をとつているとすれば、その解釈は米国政府と相互に確認合意済みか。合意済みならば、その合意形式、年月日、場所、合意確認責任者を明らかにされたい。
二 四十九年十二月二十五日、参議院内閣委員会で示された核兵器積載艦船の我が国領海内通過をめぐる政府統一見解について次の点に関する政府の見解を明らかにされたい。
1 統一見解における「核のもちこみ」と日米安保条約第六条交換公文における「装備の重要な変更」とは完全に同意語か。
2 統一見解は「核のもちこみが行われる場合はすべて事前協議が行われる」としているが、この「核もちこみ」は常時核装備艦船の領海内一時通過や一時寄港までも含むのか。
3 統一見解は「常時核装備を有する外国軍艦による我が領海の通航は、領海条約第十四条4にいう無害通航とは認めず」というが、同条約第十四条4では「通航は沿岸国の平和、秩序または安全を害しない限り無害とされる」となつており、日本のこのような一方的主張が例外として国際的に認められる保障があるのか。
4 統一見解は米国政府と相互に確認合意されているのか。
5 事前協議の解釈について米国政府と再調整する考えがあるか。
6 国際海洋法会議で、将来領海が拡大されたときにも、この統一見解は堅持適用されるのか。
7 統一見解では、外国軍艦にも適用されることになるが、常時核兵器装備艦の米艦船以外の外国艦船に対しては、具体的にどういう方法で我が領海通航を拒むのか。その外交的折衝の方法手段を明らかにされたい。
右質問する。