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昭和五十年六月十六日提出
質問第二二号

 サッカリンの規制緩和に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十年六月十六日

提出者  瀬野栄次郎

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




サッカリンの規制緩和に関する質問主意書


 去る五月二十二日の農林水産委員会において、私は、サッカリンの規制緩和に関して政府当局の見解を質したが、政府の答弁の趣旨に納得できない。
 また、今回の規制緩和に対して、国民、消費者団体及び各分野の専門家より数多くの疑問が提起されているが、政府当局は必ずしもそれらの疑問に対しても明確な回答を与えているとは思われない。
 ついては、サッカリンの規制緩和及び食品衛生行政の在り方等に関して左記の事項について質問する。

一 昭和四十八年十二月十八日の食品衛生調査会毒性・添加物合同部会におけるサッカリンの審議に関して
 (1) 昭和四十八年十二月十八日の食品衛生調査会毒性・添加物合同部会で審議に使用した資料名とその概要について具体的に明らかにされたい。
 (2) 同合同部会においてサッカリンを1mg/kg/dayとしてADI(一日摂取許容量)を決定した根拠を科学的に明らかにするとともに、その根拠データを明らかにされたい。
 (3) 「昭和四十八年十二月十八日の添加物毒性合同部会のまとめ」を食品衛生調査会常任委員会にかけないで告示した法的根拠及び調査会の内規との関係を明らかにされたい。
二 今回のサッカリンの規制緩和に関する食品衛生調査会の審議に関する問題について
 (1) 昭和五十年四月二十三日からの食品衛生調査会の毒性・添加物合同部会における一連の審議資料はどのような範囲を調査して、どのような基準で選んだのか。
 (2) 特に四月三十日にサッカリンの一日摂取許容量を審議した際、提出された資料三篇と、この三篇の資料の抄録はどのような経過で誰が作製したのか、それぞれの経過と責任者名を明らかにされたい。
 (3) この抄録の中にサッカリンの無作用量とその根拠が記載されているが、この無作用量を決定し、記載した責任者名について。
 (4) 食品衛生調査会で無作用量を決める前に、厚生省が無作用量を記した理由は何か。
     また、無作用量の定義についてどのように考えているか。
 (5) 「添付資料(1―3)CANADAのHPBのI.C.Munroらの実験」はどこで発表されているものか。
 (6) I.C.Munroらの実験で死亡率に関して対照群と90mg投与群との間に統計的有意差がないという根拠を数値(その計算式を含む)をもつて証明されたい。
 (7) サッカリンの染色体及び突然変異性及び胎仔への影響に関して、食品衛生調査会の新基準を満足する資料はあるのか、あるとすれば資料名とその概要を明らかにされたい。(ただし、昭和五十年五月十四日の時点までに厚生省が持つていたものとする)
 (8) 今回のサッカリンの審議において外国文献を資料として採用しているが、外国文献を採用する際の基準はなにか。
 (9) サッカリンアレルギーの報告が日本やアメリカなどで一九四七年ごろから報告されているが、日本のサッカリンアレルギーの実態はどうなつているか。
 (10) アレルギーの人たちを切り捨ててまでも、サッカリンを食品添加物として指定できる法的根拠を明らかにされたい。
 (11) サッカリンに発ガン補助効果(特にニトロソ化合物)があるという報告がされているが、厚生省はどのように検討しているか。
 (12) サッカリンの食品添加物指定及び今回の規制緩和にあたつて、漬物等を多食する日本の国民性、食体系等をどのように考慮に入れているのか。
三 サッカリンに関する「WHOの評価」について
 (1) 今回の決定の最大のよりどころとなつたいわゆる「WHOの評価」(一九七四年)については厚生省の資料によれば「このリポートは、国際専門家グループの意見を要約したものでWHOとFAOの決議または政策を示すものではない」と断つており、かつ本来ならば必ず添付される根拠データは、この場合「用意されなかつた」と注釈をつけている。このような根拠のない、WHOの決定したものでないFAO/WHO合同食品添加物専門委員会第十八回リポートは信頼するに足るものであるかどうか、また、信頼に足るものであるとするならば「WHOの評価」がもつ信頼の科学的根拠について、資料名とその概要を明らかにされたい。
 (2) 前述の「WHOの評価」をリポートしたFAO/WHO合同食品添加物合同専門委員会に我が国から出席したサッカリンの専門家名を明らかにされたい。
四 サッカリン規制緩和を必要とする厚生省の理由をあげよ。
五 昭和二十三年からサッカリンの毒性について検討されているなら、その審議の日時、内容、審議資料名とその概要を明らかにされたい。特に発ガン関係でなくサッカリンの慢性毒性その他についても明らかにされたい。
六 昭和四十年〜四十九年までのサッカリンの生産量及び食品への添加量の推移を明らかにされたい。
七 食品衛生行政に関して
 (1) 食品添加物の指定にあたつて、食品衛生法第六条と社会的必要性により使用を認めることとのかかわりを明確にされたい。
     (食品衛生法第六条と社会的必要性の優先度を明らかにせよ)
 (2) 昭和四十七年六月十六日衆議院での食品衛生法に関する附帯決議「食品衛生調査会に消費者の意見を代表する者を加える件について」が採択されているが、厚生省はなぜ速やかにその実行をしないのか、その理由を明らかにするとともに、今後どうこの問題を取扱うのか明らかにされたい。
八 サッカリンの規制緩和について再検討するとともに、現行の使用基準を見直すべきであると考えるが厚生省の見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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