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昭和五十一年五月二十日提出
質問第二四号

 公害健康被害補償法の地域指定要件見直しと指定地域の拡大に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十一年五月二十日

提出者  津金佑近

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




公害健康被害補償法の地域指定要件見直しと指定地域の拡大に関する質問主意書


 昨年十二月、公害健康被害補償法に基づく第一種指定地域に新たな追加指定がなされたが、その際東京都については、二三区中世田谷、杉並、中野、練馬の四区のみが除外されることとなつた。
 この四区は、環状七号線等の主要道路が縦横に走り、自動車排気ガスにより発生する窒素酸化物を中心に、亜硫酸ガス、浮遊粒子状物質等による都市型複合汚染が年々拡大され、区民の健康にじん大な被害を与えている。こうした実態にたいし、すでに東京都、区当局や区民から公害健康被害補償法による救済の強い要望が出されているが、いまだに、なんの措置もとられていない。
 そこで、以下、政府の見解を問うものである。

一 昭和四十九年十一月二十五日の中央公害対策審議会答申は、大気の汚染の程度について「窒素酸化物及び浮遊粒子状物質と呼吸器症状有症率の関係を量的に検討」し「地域指定要件の見直しを行う必要がある」と指摘しているが、前述四区のごとき窒素酸化物を中心とする都市型複合汚染地域が指定もれとなつた事態にみられるように現行の地域指定は、実際には、もつぱら硫黄酸化物濃度を中心として行われているのである。
  中公審答申後、すでに一年半が経過しているにもかかわらず、地域指定要件の見直しは行われず、関係住民の苦しみを長い間、放置する結果となつていることは、極めて遺憾である。
  政府としては、窒素酸化物による関係住民の健康破壊を救済する立場から、地域指定要件の見直しを迅速に行う用意があるか、伺いたい。
二 昨年来、環境庁においては、自動車沿道住民健康環境調査を実施されているが、この結果は、いつ発表されるのか、明らかにされたい。
三 この結果を反映させて、窒素酸化物を指定要件に追加する時期は、いつか、明確な見通しを伺いたい。
四 前述四区の窒素酸化物による大気汚染の実態は、区当局や住民諸団体の自発的測定、調査によつても明らかにされているが、環状七号線など幹線道路周辺においては、窒素酸化物濃度が環境基準の五〜一〇倍という驚くべき汚染度を示しており、同時にこの汚染が幹線道路周辺のみならず、全域的に拡大する傾向にあることはすでに判明している。
  また関係住民の健康被害については、国民健康保険加入者の公害健康被害補償対象四疾病受診率でみると、四十八年度調査で世田谷区が調査一三区中第三位の高率であり、東京都条例による一八歳未満の児童の大気汚染医療助成認定状況では、本年一月末現在で世田谷区一、四一三名、二三区中第一位という状況にある。このように大気汚染による健康破壊は、前述四区においても、もはや一刻も看過できない事態が生じているのである。
  政府は、速やかに地域指定要件に窒素酸化物を加え、前述四区の地域指定を実施すべきと考えるが、その時期並びに具体策を明確にされたい。
五 政府は、当該四区が地域指定を受ける前であつても、その責任において緊急に、なんらかの救済措置を講ずるべきと考えるが、その具体的施策を明らかにされたい。

 右質問する。





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