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昭和五十一年五月二十一日提出
質問第三一号

 関西新国際空港に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十一年五月二十一日

提出者  荒木 宏

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




関西新国際空港に関する質問主意書


 関西新国際空港の建設について、航空審議会は昭和四十九年八月、大阪湾東南部の泉州沖海上の地点を候補地とする旨の答申を行い、運輸省は現在、その答申に基づいて諸調査を進めようとしている。しかし、関西新国際空港の設置については、大阪府議会を始め大阪湾沿岸の各地方自治体の議会において反対決議がなされ、地域住民団体、科学者会議など数多くの関係団体が反対の意思表示をしている。日本共産党は、前記答申が発表された直後、紺野与次郎衆議院議員の談話を発表し、同審議会の答申が非科学的、非民主的である点を指摘して答申の白紙撤回を求める談話を発表し、その見解を明らかにするとともに、かねてから公表している航空政策に基づいて、国会質疑を進めてきたところである。
 政府は昭和五十一年度予算において、右答申に基づく調査費を計上し、調査活動に着手したので、この際、前記経過にかんがみ、次の諸点について政府の見解を求める。

一 木村運輸大臣、中村航空局長らは昭和五十年二月二十六日衆議院予算委員会第五分科会における私の質問に対し、「できる限りのデータで将来の見通しをたてていかねばならない」そのため「環境アセスメントの基礎データとしての自然条件調査をまず実施する」旨答弁している。
  そこで運輸省がまず実施しようとしている自然条件調査の調査項目、その内訳、調査の範囲、対象地域、期間、調査の方法、予算規模、関係機関(官、公、民を含む)の協力内容等について、全体計画と年次計画及び当面の計画内容を明らかにされたい。
二 特に、気象条件調査については運輸大臣は、ICAOの方針を尊重して五年間調べると答弁しているが(ICAO会議録、第一類第十三号附属の六〇十三頁)、前記計画内容に、この大臣答弁はどのように具体化されているか明らかにされたい。
三 また運輸大臣らはその自然条件調査のやり方は、地方自治体と十分協議してやりたいと答弁している。すでにそのための観測塔設置の動きが出ているが、政府は今までにこの自然条件調査(観測塔設置を含む)について、いつどのような団体とどのような協議をしたか明らかにされたい。
四 黒田大阪府知事はすでに大阪府議会において、前記観測塔設置については、新空港建設を前提としないことを条件として同意した旨明らかにされているが、政府は右府知事の言明どおり観測塔設置について新空港建設を前提としないと確約できるかどうか明らかにされたい。
五 今後の自然条件調査について、関係府県知事及び市町村長、住民団体、民間専門家団体の意見を聞き、十分協議する意思があるかどうか明らかにされたい。
六 運輸大臣らは前記答弁において、今後綿密な調査をしながら、あらゆる調査をする旨答えている。そこで、自然条件以外の調査項目とその内容、方法も明らかにされたい。特に、将来の航空需要予測について、答申の時期には、明確な材料なしである程度の増加というばく然としたものにすぎない。この需要予測調査の方法、内容を明確にされたい。
七 前記審議会答申が決定された航空審議会の第二十八回関西国際空港部会では、環境庁委員、水産庁委員、気象庁委員はいずれも調査不十分の理由で意見を留保し、位置決定について消極的態度を表明している。関係政府機関の代表委員が態度保留したことは重要であるが、政府はどう考えているか。また、今後どのように対処しようとしているのか。
八 前記答申に当たつては、ただに前記政府委員だけでなく、政府関係委員がすべて態度保留している。政府としての態度決定に当たつては、運輸省のみならず、環境問題を始め、すべての関係政府機関の、科学的、民主的調査とその結果が反映されるためにどのような措置を講じようとしているのか。
九 位置決定等に関して、地元の意見を尊重することは当然であるが、具体的に地元とはどこを指すのか。関係府県知事はもとより、市町村長、各自治体議会、住民団体、専門家団体等、更に広く意見を聴取するためにどのような方法を考えているのか。また、地元の同意がない限り建設しないことを確約するか。
一〇 最後に、運輸大臣は前記答弁において、「相当重要な影響が出る、そこがいけない蓋然性が高いときに、答申の白紙撤回や再検討は当然だ」と答えているが、このような方針を今まで関係自治体や住民に明らかにしてきたかどうか。

 右質問する。





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