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昭和五十四年三月七日提出質問第一〇号
名古屋環状二号線への国土開発幹線自動車道建設法適用に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十四年三月七日
衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿
名古屋環状二号線への国土開発幹線自動車道建設法適用に関する質問主意書
政府は昨年十二月二十日付告示(総理府第四十号)で、近畿自動車道の延長として名古屋市名東区〜同中川区間(二十八キロメートル)を国土開発幹線自動車道建設法(以下「国幹道法」という。)に基づく高速幹線自動車道とすることを決定した。
名東区、守山区、北区、西区などの沿線住民は、緑豊かな住宅地を突つ切る名古屋環状二号線(国道三〇二号線、平面道路)の上に、さらにこのような自動車専用道路を建設するという計画に強く反対している。
名古屋市計画局が昭和四十九年度に環状二号線建設に伴う沿線への影響を調査するため、計画技術研究所に委託した調査結果は、沿線住民の不安をいつそうかきたてるものとなつている。すなわち同調査「主要道路沿線地区の整備に関する調査研究」によると、自動車専用道路に一時間当たり七千二百台、平面道路に三千二百台、速度六十キロメートル、四十キロメートル、大型車混入率を十パーセントと想定した場合、沿道二百メートル以内では工業専用地域以外の利用が不可能であり、五百メートル以内までは住宅系の土地利用が不適合と判断している。
このようなショッキングな調査結果と約九百通にも及ぶ関係住民の反対意見を無視して、今回、国幹道法による基本計画を決めたことは、あらためて政府の住民不在の姿勢を浮き彫りにしたものであるといわざるを得ない。
さらに、環境庁はこうした住民の意見を受け、建設省に対して、「整備計画の策定に当たつては、住民の意向を反映するとともに、適切な環境影響評価を実施」するよう要請している。
そこで次の諸点について政府の明快な見解を求める。
二 国幹道法第五条第三項に基づいて先に提出した関係住民の意見に対して、政府は何らかの方法で見解を示すべきだと思うがどうか。
三 環境庁も指摘しているが、国幹道法による整備計画を立てる前に政府の責任で住民参加を保障した環境アセスメントを実施すべきであると考えるがどうか。
右質問する。