衆議院

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昭和五十五年四月三日提出
質問第一一号

 北海道における国鉄地方交通線対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十五年四月三日

提出者  斎藤 実

          衆議院議長 (注)尾弘吉 殿




北海道における国鉄地方交通線対策に関する質問主意書


 北海道は、土地、水源地に恵まれているなど、我が国において最も発展の可能性に富んだ地域であり、今後、開発の伸展に伴つて輸送需要の増加が見込まれ、広大な面積をもつ積雪寒冷地帯やオホーツク沿岸の結氷など他府県と異なる北海道の厳しい自然条件からも、公共輸送の基幹をなす国鉄の果たす役割は、将来とも大きくその整備強化が必要である。
 しかし、政府は「日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案」を今国会に提出し、このなかで輸送需要の少ない地方交通線をバス輸送等へ転換することとしているが、鉄道網の過半を地方交通線が占めている北海道の実態から、北海道諸地域の住民生活や産業経済活動に甚大な影響を与えるとともに、地方に過大な負担となることが憂慮される。
 こうした観点から、北海道における国鉄地方交通線に関連して、次の事項について質問する。

一 今回の国鉄地方交通線対策については、あらかじめ地方自治体に何らの相談もなく、一方的に強行しようとしているため地元は混乱し、政府に対する不信感は根強いが、政府はこれをどのように収拾する考えか。
二 国鉄経営の健全化は、国鉄自身による経営改善努力が基本であり、経営改善の実績をあげたうえで地方交通線対策を考えるべきであるが、これについてどう考えるか。
  また、これまでの国鉄経営努力の実績と、民間鉄道事業者並みのサービスと経営ができない理由を明らかにされたい。
三 国鉄経営の悪化は、モータリゼーションの伸展や航空機の出現による独占的地位の低下などの外的要因もあるが、労使紛争による利用者の国鉄離れ等内部要因に負うところも大きい。
  今回の地方交通線対策や職員三十五万人体制について、国鉄労使相互の十分な理解が得られているのか。
四 北海道においては石炭、木材、農水産物などの生産量が増大し、また、定住人口、観光客入込みの増加等による旅客需要が大きく見込まれるので、国鉄輸送力を増強する必要がある。
  しかし、今回の地方交通線対策は、これらの地方定住構想など地域開発計画との整合性がとれていないと思うがどうか。
五 輸送需要の少ない線区のバス輸送転換により、鉄道のネットワークが分断されるが、それでも地域の効率的な輸送の確保はできるのか。
六 今回の再建法案には、諸々の問題がある。
  その一つは、全国一律の基準で地方交通線を廃止することである。
  地方交通線の基準を定める政令には、北海道の自然的・社会経済的条件を考慮した特例を盛り込むべきであると考えるが、これについての見解を示されたい。
七 バス輸送転換を決定後、特定地方交通線対策協議会で、転換後の代替交通機関を協議し、二年間で結論がでないときは、国鉄バスに転換するという手続は、一方的強制的であり、地方の反対も特にこの点が強く、地方軽視のあらわれと言わざるを得ない。
  この見切り発車的行為をやめる考えはないのか。
八 地方交通線に高い特別運賃を課し、地域に差別をつけようとするが、地方交通線は、一般に大量交通機関として独占的な地位をもつており、特別運賃制の導入により独占価格を形成することとなり、再建法案の主旨に反することになる。
  また、低質の輸送サービスに割高な運賃という結果になり、経済原則に反すると思うがどうか。
九 今回の地方交通線対策の対象となる線区は、本来公共的助成が必要な線区であり、何らかの措置なしには転換の引受け手はないと思われる。
  助成期間を五年としている理由は何か。
  また、五年後の赤字についてどのような措置を考えているのか。
十 国鉄は市町村長に対し、貨物駅の集約化や営業近代化の計画実行の際、駅舎の整備等多くを約束しているが、地方交通線対策が実施されるとその約束は履行できなくなるが、これらの点について市町村の不満不信は高まつている実状である。
  地元の理解と協力なしに、強制的な地方交通線の廃止は不可能と考えるが、これらの点についてどのように考えているか。
十一 幹線・地方交通線の区分を輸送密度八千人で区分しているが、八千人未満の地方鉄道でも黒字を出している経営体も多い。
  なぜ八千人で区切るのか、その根拠を示していただきたい。
  また、同様に四千人、二千人についてもその根拠を明らかにされたい。
十二 今後、石油事情が一層厳しくなることが予想される。従つて、エネルギー効率が高く、環境保全、交通安全などの面からも、他の輸送機関より優れている鉄道を見直すべきではないかと思うがどうか。
  また、最近、鉄道の貨物輸送が増加してきている理由と今後の見通しをどう予想しているのか。更に、地方交通線の多くを道路交通に転換した場合、燃料の確保、道路管理、交通事故等関連する問題を関係省庁間においてどのように整理するのか。
十三 我が国の総合交通体系と、これを実現するための総合的交通政策を早急に明らかにするとともに、このなかで鉄道の位置づけを総合交通政策との関連で具体的に示すべきであると考えるがどうか。

 右質問する。



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