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昭和五十六年三月四日提出
質問第一三号

 「エネルギーに関する世論調査」に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十六年三月四日

提出者  菅 直人

          衆議院議長 福田 一 殿




「エネルギーに関する世論調査」に関する質問主意書


 昨年十一月に総理府が行つた「エネルギーに関する世論調査」の結果が、本年一月三十日に総理府広報室において公表された。それを受けて二月一日付各新聞紙上にその内容が報道された。総理府広報室は、調査結果の公表に際して、調査結果を示す各項目ごとに「解説」を添え、更に別刷のエネルギーに関する世論調査の「要旨」を準備し、それに基づいて新聞記者等に説明を行つたものである。総理府広報室の作成したこれら「解説」及び「要旨」並びにそれに基づく説明は、世論調査結果の説明としては余りにも意図的であり、世論操作の疑いがある。調査結果が国民世論に及ばす影響を考えるとき看過できないものがあるため、次の三点について質問する。

一 今回の世論調査は、エネルギー問題一般に関して行われたが、中でも政府のエネルギー政策との関連上、その主力として推進しつつある原子力発電に関する調査結果は極めて重大である。調査結果によれば、この問題は、第九表、第十表、第十一表、第十二表、第十三表、第十四表、第十五表、第十六表、第十七表、第十八表のそれぞれに関連している。しかし、「解説」及び「要旨」では、第十八表の「原子力発電の推進」の問についての説明が省略されている。すなわち、この第十八表は政府に力を入れてほしいと思うエネルギー政策を国民に問うもので、これによれば、原子力発電推進を挙げた者は一六・七%である。この支持率は、一九八〇年二月の総理府の同様の調査「省エネルギー・省資源に関する世論調査」における一七・一%からさらに減少した結果を示している。この点、総理府はなぜ、今日のエネルギー政策上最重要項目である原子力に関する項目の説明を第十八表に関して省略したのか、明らかにされたい。
二 また第九表には、「今後は、どのような発電が電力の主力になると思いますか」という予想を聞く質問に対して“原子力”と答えた人が四六・六%であるということが示されている。しかし、「要旨」ではこの数字を、「今後の電力の主力」が原子力四六・六%であると説明している。つまり、将来の予想である数字があたかも原子力発電を希望する国民の割合として説明されているわけである。このことが、新聞報道において「「今後の主役は原発」が四七%」(サンケイ新聞、二月一日)という見出しに影響したものと思われる。総理府は、各質問表における「希望」、「予想」あるいは単なる「知識」調査といつた区別をなぜ説明しなかつたのか、明らかにされたい。
三 今回の「世論調査」項目の中には、各質問項目について、前回の統計結果と対策上対比されたものが少なくない。これは、従来の総理府が行つた世論調査の慣例である。今回の調査結果中、第十表「総電力量に占める原子力発電の比率」は、その点、前回の調査と対比されていないものの一つである。この表では、推進を希望するもの(原子力発電の割合を多くした方がよいと答えた者)三七・八%に対し、モラトリアム及び削減を希望した者は合計三三・五%(現在程度でよい二八・三%、減らした方がよい五・二%)の割合である。他方、前回同じ質問表がとりあげられた一九七八年七月の総理府「省エネルギー・省資源についての世論調査」第十二表によれば、推進を希望する者(もつと開発した方がよいと答えた者)五一・二%に対し、モラトリアム及び削減を希望する者は合計一七・五%(これ以上開発しない方がよい一二・〇%、やめる方がよい五・五%)である。この項目において、総理府はなぜ、前回調査と対比しなかつたのか。さらに、原子力発電推進世論の五一・二%から三七・八%への後退を、内閣はどのように考えるか、明らかにされたい。

 右質問する。





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