衆議院

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昭和五十六年六月五日提出
質問第四五号

 「憲法・同盟・安保」に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十六年六月五日

提出者  稲葉誠一

          衆議院議長 福田 一 殿




「憲法・同盟・安保」に関する質問主意書


一 同盟関係について
  同盟国とは通常「互いに同盟関係にある国家すなわち同盟条約の当事国」と解されている。しかして同盟条約とは「第三国に対する攻撃又は防衛のために相互に援助を約する条約」とされる。
  また、同盟条約は同盟上の援助事由について規定し、救援義務発生の条件を定めている。
  すなわちその一つに、一定地域を定めこれに対する外部よりの攻撃をもつて救援義務発生を事由とする。
 1 とすれば日本・アメリカ間相互協力及び安全保障条約も同盟条約といえるのか。いえないとすればその理由。
 2 固有の同盟は、戦争に当たつて共同の敵に対し連帯的軍事行動をとり、相互に支援するものであるとされる。
   これによれば、単に政治的結盟である神聖同盟は固有の同盟でないとされるが、この点について総理は本会議で神聖同盟の例を挙げたのであるが、神聖同盟を通常固有の同盟の中に入れないのではないか。
二 役割の分担について
 1 共同声明第八項に
   「総理大臣と大統領は、日米相互協力及び安全保障条約は、日本の防衛並びに極東における平和及び安定の基礎であるとの信念を再確認した。」
   とあるが、この再確認とは両国間に軍事条項を含む国際法の正統的な定義における同盟条約が存在しているという現状を再確認したということか。
 2 「両者は日本の防衛並びに極東の平和及び安定を確保するにあたり、日米両国間において適切な役割の分担が望ましいことを認めた」
   とある。
   「役割の分担」の意味内容を明らかにされたい。
   英文テキストによれば「defense of Japan」について「they」つまり日米両国首脳が「an appropriate division of roles」適切な役割の分担が望ましいといつているのではないか。
三 共同声明第八項と安保条約第五条について
  安保条約第五条は共同防衛の責任範囲は「日本国の施政の下にある領域」としているが、共同声明第八項は、日本は自主的に「日本の領域及び周辺海・空域における防衛力を改善する」よう約束したことになつている。
 1 すなわちここでは共同防衛の責任範囲は安保条約第五条の共同防衛条項を逸脱しているのではないか。
 2 日本は領海十二カイリ説をとつているのであるから、十二カイリ以上の海域及び空域についても防衛力を改善する約束を行つたとみられ、明らかに専守防衛の変更ではないか。
 3 これは専守防衛の基礎となつているが、憲法及び安保条約から離れるのではないか。
四 レーガン大統領のステートメントについて
  レーガン大統領は五月八日正午すぎ、鈴木首相との第二回首脳会談を終了した直後のステートメントの中で
  「鈴木首相との首脳会談で、政治・経済・軍事の面で了解に達した、というより了解が存在したことを発見した」と述べた。
  この「了解に達し」というのは何を指しているのか。
  また、「発見した」とあるのは何を指すと理解すべきか。
五 共同声明第十四項について
 1 これは、原子力平和利用に関して核拡散防止条約を堅持するという条件で原子力政策についてアメリカは日本に対する拘束を撤去する用意があるという意思表示とみていいか。
 2 また、アメリカが日本は核武装国家にならないという再確認を求め、日本がこれを約束し、その条件の下で原子力平和利用を最大限に促進することを認めようという意味か。
 3 これは日本の国内問題であつて、アメリカと協議すべき必要のないことではないか。
   何故共同声明の中に入れなければならないのか。

 右質問する。



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