衆議院

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昭和五十八年二月二十八日提出
質問第七号

 原油値下げに伴う電力・ガス料金及び石油製品価格の引き下げに関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年二月二十八日

提出者  岩佐恵美

          衆議院議長 福田 一 殿




原油値下げに伴う電力・ガス料金及び石油製品価格の引き下げに関する質問主意書


 北海原油から始まつて、産油国による原油の大幅値下げが広がるもとで、これによつてたなぼた式に膨大な利益を受ける国内の石油元売り各社や電力・ガス会社などに対して、不況下で苦しんでいる国民から、製品価格、料金の値下げを求める声が強まつている。
 現在、石油会社、電力・ガス会社は、昨年以来の実質的な原油価格の値下がりと円高による為替差益で膨大な利益をあげ、昨年前期の為替差損を埋めたうえ、大幅な黒字を計上できる状況である。今回のいつせい原油値下げによつて、これら企業の得る利益はさらに大幅なものとなる。
 我が国の主な輸入先である産油国の値下げ幅は、一バーレル当たり十ドルに近くなるとの見方もあるが、仮に一バーレル当たり六ドル値下げになつたとして、その影響は、業界が公にしている資料を基にした試算では、石油業界全体で年間二兆円、電力業界で六千億円の増益となる。
 公益性の強い石油会社、電力・ガス会社などが、この大もうけを独り占めにすることは許されない。これまで電力・ガス料金、石油製品の大幅値上げで苦しめられてきた国民にそれを返すことは、これらの企業の社会的責任でもある。
 政府は、これらの大企業に対して、原油値下げによる利益を料金、製品値下げによつて国民に還元するよう積極的な行政指導を強めるべきである。また、そのさい、大企業に安く、家庭向けに高いゆがんだ料金・価格体系を是正すべきである。
 そのことは、石油会社、電力・ガス会社が原油値下げに伴う料金、価格の引き下げについて考えていないと言明し、値下げを要求する国民に対して挑戦的な態度をとつているだけに、緊急の課題となつている。
 従つて、次の事項について質問する。

一 電力料金について
  昭和五十五年の五〇%にも及ぶ大幅値上げで国民生活に深刻な影響を与えた電力料金値上げ認可に当たつて、政府は、原油価格を一バーレル当たり三十二ドル強、為替レートを一ドル二百四十二円にする査定基準を明らかにした。
  これに対して、現在、原油価格は一バーレル当たり二十五ドルにまで下がろうとしており、また、為替レートも一ドル二百三十四円にまで円高になつている。また、エネルギー情勢も五十五年当時の第二次オイルショック時と比しても、原油などエネルギー需給が大幅に緩和するなど大きく転換している。
  電気事業法第二十三条は、「電気の料金その他の供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、電気事業者に対し、相当の期限を定め、第十九条第一項の認可を受けた供給規程又は第二十一条ただし書若しくは前条第一項の認可を受けた料金その他の供給条件の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。」と明記している。
  現在、国民・電力需要企業の負担の上に、電力会社が不当に利益を積み増す状況となつており、これは二十三条発動要件にも合致していると言わなければならない。
  従つて、政府は、電力会社に対して、供給条件の変更認可、即ち料金値下げを申請するよう命ずるべきであると思うが、どうか。
二 ガス料金について
  都市ガスの主要原料であるLNGの購入価格は、契約で原油価格に連動することになつている。
  電気料金と同様にガス料金も、ガス事業法第十八条に基づいて値下げすべきと考えるがどうか。
三 石油製品価格について
  石油会社は、昨年、原油の入着価格が横ばいに推移していたにもかかわらず、円安を理由として、国民の反対を押し切つて一キロリットル当たり一万円もの値上げを強行した。そして、その後の円高と原油価格の低落で入着価格が一キロリットル当たり六千円も下がつたにもかかわらず、わずか千五百円しか値下げせず、利益をため込んでいる。
  このように、原油値下がりと円高による利益を一貫して還元しないどころか、逆に値上げを押し付けようとしてきた大手石油会社の姿勢は極めて重大である。
  原油の大幅値下げがなされようとしている現在、政府は、元売り各社に対して、製品価格引き下げの行政指導を強力に行うべきである。
  政府の対応を伺いたい。

 右質問する。



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